国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   大切なレトリック感覚   レックウザ

 ふだん私達は、コインを丸いものと見なしているが、それは決してビー玉のような球形ではなく、つまり、正確には円盤形のことだと、誰でも承知している。だが、コインを水平方向から眺めれば、明らかに薄い長方形に見えるはずだ。そういった表現は、ヨーロッパから古くから伝えられた、たくみに表現する技術体系であるレトリックと深い関係にある。レトリックは、私達の認識と言語表現の避けがたい一面性を自覚し、それゆえに、もっと別の視点に立てばもっと別の展望がありうるのではないか・・・と探求する努力のことでもある。肝心なのは、相手の立場、別の視点に立ってみればどんな具合にものが見えるか、ということを思い描いてみる能力である。
 私は、人間にとってレトリック感覚は重要なものだと思う。その理由は二つある。一つは、多面的にものを見ると、一面的に見るよりも新しい発見が多く見つかるからだ。ある日、私にこんなことがあった。日本人補習校に母の運転している車で向かっている途中、私は少し緊張気味だった。なぜならその日は、女の子の転校生が補習校に来る日だったからだ。その女の子の見た目はとても冷静で、あまり人と口をきかないという噂を聞いたことがあり、私は少し不安だった。しかし、いざ補習校で会ってみたら、そんないやらしい噂を信じていた自分がバカだったと私が思ったほど、転校生は楽しい子だったのだ。見た目は確かにおとなしそうだが、それに合わず早口でおしゃべりが大好きな、愉快な子だった。私は最初、あまり人と付き合わない子なら、あんまり喋りたくないと考えていたが、その転校生と少し話した後、すぐに深い友情が生まれた。このことから、ある人の噂や見た目でその人を判断するより、自分の目と耳でいろいろなところから確かめることが大切だと私は実感している。「百聞は一見にしかず」である。
 もう一つの理由は、一面的にものを見ると、他のものが見えない場合があるからだ。例として、リバーシ(またはオセロ)などが挙げられる。相手のチップを一気に多く取ろうという考えに気を取られるあまり、その場所に置くと、後で自分にどんでん返しが来るということを考えない人がいる。そのため、最後にはあっけなく負けるという結果になってしまう。一つのものを追っていると、他のものが見えないという場合が多いのである。この理由から、多面的にものの見方をした方がいいという考えが生まれる。もし、ここに自分のチップを置いて、相手が油断した後ならば、相手のチップを一気にたくさん取れる・・・というような見方を。しかし、あまりにも多面から見すぎると、頭が混乱して、やはり最後にかっこ悪い負け方をしてしまうということもあるので、十分注意して考えて欲しい(笑)。
 確かに、一面的なものの見方をすると、行動力が増す確率が高いだろう。だが、多面的に見た方が、物事の真実がわかると私は思う。「脱皮できない蛇は滅びる」という名言があるように、一つだけの見方にとらわれていては、自分は全く成長できない。いろいろな部分からいろいろな考え方を出して、のびのびとした考えを持つことが大事だ、と私は思う。

   講評   hoemi

 レトリック感覚が重要だと考える☆shooting star☆さんの意見をしっかりまとめることができたね。物事を多面的に見ることで生まれる長所をうまくとらえ、かつ具体的な事例を挙げることができていたよ。<私は人間にとってレトリック感覚は重要なものだと思う>とした【是非の主題】は一段落目の要約のうしろに入れておこうね。
 一つめの理由として<物事を多面的に見ると新しい発見が多いからだ>という理由を挙げて、転校生の話を具体的に説明できたね。たしかに先入観にとらわれていると見失うものが多いね。また二つめの理由として<物事を一点からしか見ないと他のものが見えなくなるからだ>という理由を挙げられたね。リバーシの例をとって分かりやすく説明できていたよ。一つ目の理由と二つ目の理由を多面的に見た利点と一面的に見た不利な点と対照的に挙げられたのがとても良かったよ。
 まとめ方はよくできていました。反対意見への理解、名言の引用、自分の主張を繰り返すことでうまくまとまっていたよ。

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