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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人も歩けば疑問にぶつかる   れもん

 「シーン。」そんな音が聞こえてくるぐらい重たく無味幹燥な空気が教室に漂う。私の視線は教壇に立っている教師を通り越し、黒板の上にかかっている時計に注がれる。あと三分。しかし、こんな空気の間を通過していく時の速度は妙に遅い。英会話のカナダ人の先生も困ったように愛想笑いを浮かべている。この先生は、授業を受ける前から恐いと評判だった先生だ。その日は最初の授業だったこともあり、最後の数分は先生に対する英語での質問タイムとなった。強制的に一人一題質問した後、中途半端な時間が数分残り、更に質問を募ることになったのだ。しかし、誰も質問する者はいない。先生が気を使って言った英語のジョークが、妙に痛々しく聞こえる。これは、英会話の授業での一幕だが、教室の中に漂う空気が、先生と私たちの間にある壁のように感じた。相手に対する疑問は、相手への興味の現れだったりする。疑問は、物事を切りひらいていく突破口のような役目を持っている。現代は、答えに辿り着く過程よりも、答えそのものが重視されがちで、生き急ぎ過ぎている人が多い。もっと人間は疑問を持つべきだ。(書き出しの工夫)(当為の主題)
 そのためにはまず、自分自身に正直になることだ。疲れているときや、一般常識に固執してしまうときは、疑問が卵の状態で消滅してしまう。例えば、私は最近、本棚や机が傾いているように感じることが多い。しかし、それを疑問に感じないのは、理性がそんなはずはないと歯止めをかけているからだ。しかし、ニュートンがリンゴがリンゴの木から落ちることに疑問を感じたことから、万有引力の法則を発見したように、もしかしたら、私も机や本棚が傾いていることから、重大な地盤沈下を発見できたかもしれない。(笑)このように、概念や一般常識から離れた自分自身と向き合うことによって、思わぬ新たな疑問が浮かぶこともある。(複数の方法Ⅰ)(体験)(ユーモア)
 第二に、教育の現場でも、疑問を大切に扱っていくことだ。世界的にも有名な発明家であるアインシュタインは、子供の頃、小学校の授業で質問ばかりして、先生に嫌がられ、学校が嫌いになったという。しかし彼の場合は、疑問に対して、献身的に答えてくれた母親がいたおかげで、数々の大きな発明ができたわけだが、学校の先生はアインシュタインの芽を潰すことにもなりかねなかった。教育の現場でも、ただ知識だけを叩き込むのではなく、個々の素朴な疑問にも、一緒に考えたり説明してあげることで、子供の可能性をますます広げることができる。(複数の方法Ⅱ)
 確かに、疑問を制御して前に進むことで、その答えが見つかることもある。しかし、答えを見つける以前に、何かに対して疑問をもつという行為自体に大きな意味があるのである。「愛の反対は無関心である」というマザー・テレサの有名な言葉があるが、疑問をもたない社会は、限りなく愛の裏側に近い位置にいることになる。疑問とは、一点で終わるものではなく、先へ続いていく大事なスタートである。人も歩けば疑問にぶつかる。そんな社会が最も愛に満ちた理想的な社会なのではないか。だから、私は人間は大いに疑問を持つべきだと思う。(反対意見への理解)(自作名言)(ことわざの加工)(当為の主題)

   講評   nane

 なかなかいい書き出し。
 確かに、日本人は、素直に聞くという授業スタイルには向いているけど、自分からどんどん質問するようなスタイルには向かないところがある。国民性の違いでもあるけど、日本の文化がこれまで置かれた位置がそういう疑問を要求していなかったからだろうね。でも、たぶん、クラスに男の子がいれば、素っ頓狂な質問をしてみんなが笑うという場面になるのだろうけど。
▲だったりする。→……たり、……たり、という形で。
 本棚の傾きの例は面白い。個性的な体験だね。挑戦体験も、実例として効果がある。これまでの自分の挑戦したことを体験実例として入れてみよう。
 アインシュタインの例もわかりやすい。ここの実例も、自分がこれまで読んだ本の中から、みんなのあまり知らないユニークな例を入れてみよう。そのためにも、毎日50ページの読書をがんばろう。
 「「愛の反対は無関心である」というマザー・テレサの有名な言葉があるが、疑問をもたない社会は、限りなく愛の裏側に近い位置にいることになる。」はいい表現。「有名な言葉が」と書くよりも、もっとすっきり「マザー・テレサは「愛の反対は無関心である」と言った。」という感じで。更に、その言葉を受けて自分なりに書いたところがいいね。
 「人も歩けば疑問にぶつかる」は面白い(笑)。このセンスでいいよ。

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