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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   多角的に考えるとは   意気陽陽

 ふだん私たちは、コインを丸いものと見なしている。人間の自然な角度から見ると、丸い。けれどもコインは、水平方向から眺めれば、あきらかに、薄い長方形に見えるはずだ。短い棒状に見えるはずだ。そして私たちには、そんなことはわかりきっているように思われる。そして、そういった表現は、ヨーロッパに古くから伝えられた、レトリックと深い関係にある。たとえば、果実が地面へ落ちるという事態を目撃したとき、たんに「りんごが地面へ落ちた」と考えるだけではなく、「りんごに向かって地面が突進してきた」「りんごと地面が引きつけ合った」などと、さまざまな想像力を働かせることであろう。レトリックとはそのように多角的に考え、かつ多角的なことばによって表現してみることである。
 ぼくは、多角的に考えるという「レトリック」は、とても大事だと思う。その理由は、二つある。
 一つ目の理由は、レトリックがないと、算数や数学の問題を解く時に少々困るからである。特に図形の問題などでは、多角的に考えないとさっぱり分からないということだってある。複雑な図形の中に三角形が隠れていて、それを見つけださなければ行けないことなどは、非常によくあることだ。
 二つ目の理由は、多角的にものを見ないと、そのものの本当の姿がわからないからである。投影図などでもそうだ。例えば、円錐の投影図があったとする。えんすいの上からの投影図は、もちろん円だ。しかし横からだと、三角形になってしまうのだ。いま考えると当たり前のことだが、小さい頃はとても不思議だった。
 確かに一面的に見るのも、分かりやすくて良くもある。しかし、一面的に見るよりも多面的に見たほうがものの本当の姿がわかるので、良いと思う。「上天気の日に、嵐のことなど考えてもみないのは、人間共通の弱点である」という名言があるように、人間はもっと多角的に物事を考えないといけないと思う。

   講評   sugi

 一週目に続いて、立派に意見文を組み立てることができたね。この形式をしっかりと身につけて自分のものにできると、いろいろなところで使えるよ。
 「レトリック」という、とても難しい言葉が出てきたね。日本語では「修辞学」などと言うけれど、要するに言葉を有効に使って、さまざまな表現をするということ。そのためには、ものごとを多角的に見る必要がある。この意味がしっかりわかっていれば、意見もおのずと導き出されるでしょう。
 一つ目の理由、「算数や数学の問題を解く時に少々困るから」というのは、経験に裏付けられた言葉だね。これは納得。コインの例のように、ものごとにはいろいろな側面があるので、それに気づくことができる人は、幅広くものごとを考えることができるのだろうね。とすると、数学を勉強することによって、その訓練をしているという一面もあるのかもしれないね。
 二つ目の理由にも、図形の話が入ったね。これは長文の内容にもよく重なる話で、いい題材だと思うよ。ただ、第二、第三段落とも数学の分野の話なので、これは一つにまとめてみてもよさそうだ。もう一つの実例は、幅広く「多角的」に考えて(笑)、たとえば人間にあてはめてもおもしろい話が書けそう。「一人の人をいろいろな面から見ると、必ず良いところが見えてくる」など。
 名言はうまいね! この調子で次もかっこよく入れていこう。

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