国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間よ、止まれ   PINPA

人類はもちろん、私たち生物はこの地球上にたった一つの一回きりの命を授かって生まれた。しかし近年、クローン問題や臓器移植の売買などの、まるで使い捨てのように安易にイノチを考える過去にはなかった新しい問題がある。本当に私たちは、この過去に類のない医療の発展を、何の考えもなく進めていいのだろうか。私は進みすぎたテクノロジーを対処、操作出来る強い精神が人類には必要だと考える。
そのための方法として第一に、人と真剣に関わることだ。
私の中学3年のクラスは非常に男女も仲がよく、非常に団結の出来るクラスで、文化祭の合唱コンクールでは金賞を受賞することが出来た。しかし、それまでには夏休みや放課後も時間を掛けて練習し、エンディングの部分はどういう風に歌うか、指揮の合図、立ち位置までもあーだ、こーだともめながら月日を過ごした。このように辛いこと、悲しいことも全てを一緒に経験し、言い合えた仲間だからこそ、優勝という嬉しいこともより一層嬉しく感じられた。今では辛い練習もいい思い出のひとつである。
人生には楽しい出会いもあれば悲しい出会いもある。また楽しい出来事もあれば、悲しい出来事もある。どんなことがあっても、そばにいてくれる人がいてくれれば、その困難によって人間は大きく強く成長するのである。
第二の方法としては死について簡単に考える現状をなくすことである。
バトルゲームやバトル・ロワイヤルなどの残酷な非人間的な映像。これは本来人として人はやってはいけないという当たり前の行為であった。しかし今では、小学生がこの動く絵に夢中になっている。この現状が私は怖くてたまらない。こんなにも無防備に死について触れてしまうと、子どもまでもが簡単に死を考えてしまうのである。いじめや中学生の自殺なども全てここに通じるものはあるだろう。人は生まれながらにして命を持ち、その命を無駄にしないように懸命に生きる。だが、その反対である死を推奨するような現代社会は未来を背負っていく子どもたちには悪影響を及ぼすのではないか。
確かに医学の進歩は不治の病だといわれていた結核や乳幼児の死亡などを防ぐというように良いこともたくさんある。しかし人はその医学が進歩したからといって、死を甘く考えて良いかというとそうではない。医療というのは奇跡ではなく人の手によるものなのである。たとえ死ぬだろうと思われていた人を治したとしても、それは奇跡なのではなく医者の技術によるものである。このように私たちはたくさんの情報と世界と技術に囲まれて暮らしているが、それは全て元は人間がつくったものなのである。そのため、私たちはその技術を駆使する技術、またその優秀な技術を駆使する強い精神と人間性が必要なのである。たった一つの命をもつ私たちだからこそ、私たちは医療と命の尊さを再確認しなければならないのだ。人間こそ、もう一度立ち止まるべきだ。


   講評   kira

  PINPAさん、こんにちは。科学文明の発達は、恩恵と共に考えるべき大きな課題を私たち人間につき付けています。「命」と「イノチ」を使い分けた PINPAさんは、その問題点にすでに気づいている人ですね。
 人と関わることが希薄になった時代です。核家族、一人っ子、受験戦争、塾弁おおよそ人間らしい情感が育つとは言えないような環境です。合唱コンクールで一丸となって熱く燃えた経験は、勉強よりはるかに貴重ですね。「人生には楽しい出会いもあれば悲しい出会いもある。また楽しい出来事もあれば、悲しい出来事もある」と、言葉を選んで書きました。いじめや、自殺の問題は負の部分の噴出ですね。そんなもの、プラスで覆い隠したいね。
 ゲームや残酷な映像だけが悪者ではないのでしょうが、無意識に「生死」の感覚を蝕むことが進行しているのは確かなようです。
 「もう一度立ち止まれ」という指摘はすばらしいね。そうして、自分の人間としての精神力を問い直すんだね。利便や損得、効率といった一切の計算を排して、幸福な未来のために何が必要かを考える力が必要なのではないでしょうか。

 高校生活さいしょの合宿があるのですね。みんなで人間力を高めるチャンスだね。元気に、いってらっしゃい。


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