国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   面視   хЯIИх

 人間の認識一般は、ある立場からの有限のアプローチである。その有限性は、たいてい、言語表現に反映してあらわれる。レトリックは、私たちの認識と言語表現の避けがたい一面性を自覚し、それゆえに、もっと別の視点に立てばもっと別の展望がありうるのではないか……と探求する努力のことでもある。このように考えてみると、レトリック感覚は、発見的な認識には欠くことができない上に、人をできるだけよく理解するためにこそ必要なのだ、ということになる。
 「コインはまるい」、このような固定概念的なものは、一般常識的な存在として人々の頭の中に寄生している。そしてこの宿主は、これら寄生虫によって「ものを一方的に見ること」しかできなくなる。このことから、ぼくは物事を多方向から見たほうが良いと考える。その理由はつある。<<主題>>
 第一の理由に、物事を多方向から見ることによって、一方向から見たときより多くの情報を得ることができるという利点がある。<<構成>>以前学校の算数の授業で、体積を求める勉強をした。体積を求める授業はその時間が初めてだった。だから先生は準備室から木でできた直方体と立方体を持ってきて、全員を前に集めた。そして、全員に言った。
「この体積は、どう求めたらいいでしょう。」
他の人たちは、その場に固まって、「う〜ん」とうなっていた。位置的についていたのだけなのかもしれないが、一番外側だったぼくはいろいろな角度から見た。そのおかげか、先生が言う前に体積を求める公式を頭の中で組み上げることができた。もしも、このとき動かないでいたらきっと、頭の中で公式が組みあがることは無かったであろう。<<題材>>
 第二の理由として挙げるのが、違う面から見ることによって新しいもの(こと)を発見できるという事だ。
 ぼくのクラスには、笑わない女子がいる。何かを見て笑っているところや、誰かが面白いことを言ったときだって、必死で笑いをこらえる様子さえ見せない。こういうものを、長所と呼ぶのかも知れないけれど、逆に短所ととった方が簡単だ。短所の説明は、無表情だ。ぼくは無いが、彼女に話しかけた女子はことごとく——桜の如く散って要った。無表情の大風に煽られて。
「クラスのために、いってまいるであります!」
おお、女子たちよ。休み時間の集団のにぎやかさが、きゃあきゃあという高い声が、今ほど懐かしく感じることはない。男ばかりの日常が、いかに渇ききったものであろうことか。そこで男が渇望する女という潤いで潤すことによって・・・ちくしょう・・・<<表現>>。その笑わない人の話に戻る。新学期、新しいクラスでの自己紹介があった。その時、その人の新しい面を見たような気がした。
「私の弟は、毎日家の中を大変なことにします。この間は、仏壇の線香たての灰を床にぶちまけ、近くにあった線香を全て折り、それを食べていました。食べるなよ。・・・」
こんなことを真顔で言ってのけた。級友全員、抱腹絶倒、授業担任、爆笑不止、呼吸困難、担任救助。自分の語彙では表現しにくい・・・いや、表現できないような、なんというか、笑わずに言った彼女に、新たな面を見出すことができたような気がする。ちなみにそれまで、その人とは席が隣でありながらも、会話は無かった。しかし、この日を火蓋に話も、——まあ、少しではあるが——するようになった。ちなみにこの日から、他人の倍は笑うようにはなった。その、笑顔満面の顔が、たまに怖いと感じてしまうぼくは何なんだろうね。今まで散っていった人たちは、どうなったんだろうね。ははは・・・  ぼくは、最初に「物事を多方向から見る」と書いた。確かに、隣の人だったらいつかは会話くらいするだろう。これだったら、多角的な視点は、必要ない。<<主題>>しかし、脱皮できない蛇は滅びる、<<表現>>ともいうように、やはり多角的なものの見方は、するべきである。一面的なものの見方をしているのだったら、それこそ脱ぐ・・・ちくしょう・・・脱皮するべきである。


   講評   takeko

いろいろな課題で実例をおもしろく書くことができるのは、さすが! 「要約」これはとてもよくまとめました。「是非の主題」のあと「理由1」。「一方向から見たときより多くの情報を得ることができるという」これはよく気がつきましたね!推理小説の名探偵もそうですよね。あるいは反対から見てみたりね。こまめに動いたことがよかったのですね。考えもこまめに動かさないとだめということですね。「理由2」、「違う面から見ることによって新しいもの(こと)を発見できる」これもおもしろい例ですね。真のコメディアンは自分は絶対笑ってはいけないそうですね。「無表情の大風に煽られて」という表現はいいですね。「反対意見の理解」「名言」のあと、再び「是非の主題」にもどってうまくまとめられました。特に人間もそうですが、常にその人自身も変化しているわけですから、こうと決め付けないことが自分にもその人にも良いものをもたらすというわけですね。


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