国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   諸刃の剣   

 脳死をめぐる現在の議論の対象は、死の不可逆的な進行とされる脳死を「みなしの死」に置き換えるということである。この「みなしの死」によって、今や死は新しい「資材」を分泌しうる生産的な死、人間自身の規定する、「人間的な死」となったのである。現代のテクノロジーはもはや人間の道具におさまる範囲を超えて進んでいる。そこでは人間に「役立つ」はずのことが、人間を「非人間化」するようにさえ働くことになる。私たち人間は科学技術を制御する精神力を身につけるべきである。
 その精神力をつける方法としては、いろいろな体験をしていくことだ。中学三年の修学旅行で沖縄に行ったときに、沖縄の人に沖縄戦について多くの話を聞いたり、ガマと呼ばれる洞窟に行ったりした。また、戦没者の名を刻んだ石碑のある平和の礎というところでは、先に作っておいた千羽鶴を置き、黙祷をささげた。こういったことも倫理観を形成するには必要なことだろう。
 二つ目の方法は昔の人に学ぶことだ。ノーベルはダイナマイトを発明したが、それが工事現場などでの平和利用ではなく、戦争などの軍事目的に使用されて悲しみ、ダイナマイトで手にしたお金を使ってノーベル賞を創設した。
 確かに、科学技術の進歩が現代社会を作り上げ、安心して暮らせるようになったことは事実である。だから、科学技術を全面否定することはできない。しかし、科学技術とはただ振り回せばいいというものではなく、諸刃の剣である。私たちは科学技術を倫理的に間違っていない使い方をするべきである。

   講評   kira

 周くん、こんにちは。科学文明の発達は、恩恵と共に考えるべき大きな課題を私たち人間につき付けています。利便や効率とひきかえに、人間として失ってはならない心の尊厳の部分が軽くなっていく気がします。脳死の問題をはじめ、臓器移植、遺伝子工学、代理出産の問題と、今まさにこの瞬間のニュースに関わってきています。
 人と関わることが希薄になった時代です。核家族、一人っ子、受験戦争、塾弁おおよそ人間らしい情感が育つとは言えないような環境です。ましてや、戦後60年の平和が充満した日本では、命のことを強く考える機会もないでしょう。沖縄の体験を、友と共に持ったことに意義がありますね。
 ノーベルも、またアインシュタインも自らの発明が戦争という武器に使われることを悩みました。「科学を少しばかりかじると、人間の心は無神論に傾くが、科学を深く究めると有神論に傾く」というのはアインシュタインの言葉ですが、重い意味を投げかけていると思いませんか。
 「諸刃の剣」をつかった名言が効いていますね。科学を行使する者としては、利便や損得・効率といった一切の計算を排して、幸福な未来のために何が必要かを考える力が必要なのではないでしょうか。



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