創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   必要とされる矛盾   ☆shooting star☆

 どうも、矛盾には、良いものと悪いものがあって、嫌われる、いわゆる矛盾は、良いものを除外して考えているようである。避けなくてはならない矛盾とは、プラス5とマイナス5を加えるとゼロになるというような相殺の論理のことであろう。こういう無為無能の状態の結果を招くような対立と矛盾がつまらぬものははっきりしている。こうして、一度、矛盾が不毛だと知れると、我もわれもと論理性へ走ってしまう。かくして、論理はかくれた信仰の一つにすらなっていると言えそうである。論理が前提としているのは、同一次元での一貫性のある連続である。人々は、しかし、いわゆる論理なるものが塩の入らぬ汁粉のように間の抜けたものであることを直観で感じてはいる。芸術では、平面論理と暴君にお引取り願っている。いかなる芸術の花が台無しになってしまうからである。私は、矛盾はよいものだと思う。理由は二つある。
 第一の理由として、新しい発見や創造があるからである。五ヶ月ぐらい前のことだ。私は、日本にいる友達、Kとメールで喧嘩をしてしまった。理由は、私がまだあと一年、アメリカに滞在することになったからであった。その事実をKにメールで報告すると、休む暇なくKから返事が来た。それにはこう書かれていた。
「何でさ!母ちゃん(何故か知らないがKにそう呼ばれている)は来年の三月(2007年の今年)に帰ってくるって言ったじゃん!母ちゃんのうそつき!母ちゃんが帰ってくる日をどれだけ楽しみにしていたか!」
このメールの内容を読んだ私は、むっとして返事をすばやく送り返した。
「私だって日本に帰りたい気持ちは山々だよ!でもアメリカでもっと英語力を伸ばしたいの!もっとアメリカ人の友達を作りたいの!日本じゃできない経験なの!」
私がこのメールを送り返した後、ぷっつりとKとのメールがやんでしまった。お互い黙ったまま、三週間という時が過ぎた。やっと、Kからメールが来た。
「この間はごめんね。日本ではできない経験を、母ちゃんはやろうとしているんだよね。私が間違っていた。本当にごめん。」
メールを読み終わったとたん、心の中の怒りはおさまり、私もKに謝った。
「私もごめん。Kは私が日本に帰国するのを楽しみにしていたんだね。その気持ち、裏切っちゃってごめんね。」
こうして、私とKの仲は、元通り良くなったのであった。この喧嘩から私は、Kが私のことを親しい友達として扱ってくれていたという新しい発見を見つけた。
 また、第二の理由として、矛盾がなければ楽しくないからである。もし、この世界に矛盾がなくなれば、皆と意見が合いすぎて、何の興味も、得るものもなくなってしまうからである。ただ、皆と同じ方向を歩く毎日が永遠に続く人生。そんなのつまらなすぎる。矛盾というものがあるからこそ、この世を楽しめるのだ。例えばカラオケなど、譜面通りに歌うよりも、多少崩したりリズムを変えたりして歌う方が自分も周りも盛り上がるだろう。すると、強い刺激が受けられ、より楽しめる。しかし、崩しすぎたりリズムをめちゃくちゃにしたりすると、音痴だと思われ、周りの皆が耳をふさいでしまうこともありうる(笑)。
 確かに、理にかなっているということは大切だ。けれど、「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、時には矛盾も必要なのである。世の中の人々に刺激を与えるため、時と場合によって、矛盾は矛盾でなくなる。

   講評   hoemi

 矛盾は重要だと考える☆shooting star☆さんの意見をしっかりまとめることができたね。
《一段落目》 長文の内容を理解した上で要約できました。是非の主題もきちんと一段落目に入れられたね。
《二段落目》 複数の理由①として新しい発見や創造があることを挙げられたね。続く体験実例も具体的で良かったよ。気持ちの上での矛盾というのは多少やっかいな面もあるけれど、うまく関係修復した上に新しい発見を得られたことは良かったね。
《三段落目》 複数の理由②としては矛盾がないと楽しくないからという理由を挙げたんだね。たしかに全てが同じだと考えると変化も刺激もない無味乾燥な世の中になってしまうだろうね。
《四段落目》 反対意見への理解、名言の引用、そして自分の主張を再度強めることができました。

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