創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   矛盾のパワー   くるりんぱ

 (要約)いつから世の中が矛盾を恐れるようになったのか知らないが、頭から悪いものと決めてかかっている人が多い。矛盾には、良いものと悪いものがある。互いに相殺しあって無為無能の状態にしてしまう矛盾は悪い矛盾である。こうして矛盾が不毛だと知れると、われもわれもと論理性へ走る。しかし、論理が前提としているのは、同一次元での一貫性のある連続であるため、そこには対立や撞着もしのびこむ余地がなくなってしまう。もし芸術にこの平面論理がはいってきたら、いかなる芸術の花も台なしになってしまう。(是非の主題)だから、私は矛盾を悪いものと決めつけ、恐れる必要はないと思う。
 (複数の理由一)その理由としては第一に、矛盾があるからこそ、新しい発見があるからである。私は就職してからたくさんの人に出会った。その中には周りのことを全く気にもかけず、我が道を行く人もいた。この人とは一緒に仕事は出来ないな、と感じていても、職場という特殊な場所であるが故、チームを組んで業務に当たることも多く一緒にやっていくしかない。この人とは合わないという先入観があるが故、なかなか話もかみ合わず、困惑することも多いが、時々自分とはちがうものの見方、考え方にハッとさせられることがある。同じ方向を向いている人との会話の中ではこうだよね、そうだよね、と確かめ合うことが主になるが、違う考えをもつ人からは新しいことを学ぶことが出来る。頭ごなしに否定するところからは何も生まれないが、矛盾を感じつつも少しだけ歩み寄ることだけで新しい発見が出来る可能性が生まれる。
  (複数の理由二)第二の理由として、世の中は論理的ばかりではつまらなく、矛盾があるからおもしろいからである。先の東京都知事選において、石原慎太郎陣営が打ち出したキャッチフレーズは「反省しろよ慎太郎。だけどやっぱり慎太郎」である。今回の選挙では、身内の都事業への登用や不透明な交際費などの批判にさらされ、三選を危ぶむ声も数多くあったという。しかし、ふたを開けてみると都民は再び石原慎太郎を選んだのである。矛盾を感じるところはたくさんあったに違いないが、東京都代表として国と堂々とやり合う姿を忘れられなかったのかもしれない。このキャッチフレーズをつくった人は有権者の心理を巧みに読んでいると思う。論理的に考えると、今回の不祥事により都民から都知事不適格の烙印が押されても仕方がないであろう。にもかかわらず、多少批判する部分があっても、やはり都知事はリーダーシップを取れる人に任せたい、という気持ちを起こさせる説得力がこのキャッチフレーズにはあったからだ。このように、矛盾は論理の一貫性をも打ち破るパワーとおもしろさをもっている。
 (反対意見への理解)確かに私たちが生きていくうえで、論理に一貫性があることは重要なことであり、それを大切にしなければ社会生活は成り立たないであろう。しかし、先に述べたように、矛盾があるからおもしろく、そこから新しいものが生まれることもある。(名言の引用)「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある。」という名言があるように論理も矛盾もひっくるめて人生なのである。(是非の主題)筋の通った生き方を基本としながらも、ときには矛盾に身を任せてみることもよいのではないだろうか。これからも正直な自分の気持ちも大切にしていきたいと思う。

   講評   hota

 今回も、なかなかよく書けていました。心配していた「実例」も、よかったと思います。ですが、やはり考えるのには少し苦労されたのでしょうか? 時間が90分まるまるかかっていましたね。もちろん、制限時間内ですからOKですが、負担を少なくするために、60分くらいになるといいですね。

 「体験実例」は、さすが、社会人の経験があると違いますね。それに、結びの段落の「論理も矛盾もひっくるめて人生なのである」は、やはり十年あまり生きただけの少年少女には本当にはわからないことですね。子供達もこういうことを書きますが、やはり実感が伴わない。頭の中だけの理解なのです。その点、年齢を重ねた人間の言葉には重みが出ますね(笑)。

★なんと、森リンの点数が、もうすでに90点を突破していました! 「9割突破をめざしてくださいね」なんて言ったのは、つい先週のことなのに。……すばらしい。
 

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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