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　　　永遠の別れ　　　アフロ軍曹

「○○○○先生が今年でお辞めになるらしいよ。」
お母さんがそれを聞いたとたん、私は耳を疑った。
○○○○先生は私の学校の校長で、朝会の話がとっても面白い先生だ。＜＜表現・ダジャレ表現＞＞○○校長先生は、いつも絶好調で、朝会のときの話は、季節の話や、本の紹介、がんばる事のアドバイスなどで、面白いものばかりだ。また、○○先生は人形劇の『ざわざわ森のがんこちゃん』の制作に携わった先生でもある。しかもとっても人気がある先生だったので先生がお辞めになることはただ事ではない。でも、定年退職なので、仕方がない。その年の二月、私はバレンタインの日に○○先生にチョコレートを贈った。○○先生は来年からいらっしゃらなくなるので、たくさんの人からチョコレートをもらっていた。そして三月十四日のホワイトデー、お返しを期待した私は休み時間に校長室のまえまで駆けていった。しかし、お返しのようなものは無く、いつもと同じだ。いろんな人からもらっていたし、忙しそうだから、忘れちゃったのかな、と、思った。しかしその次の日。
「校長室にいけば、お返しもらえるらしいよ。」
と、友達に教えてもらった。校長室に行くと、昨日とはちがって、ドアに『バレンタインのお返しがあるので入ってください。』と書いてある紙が貼ってあった。まるで、＜＜表現・たとえ＞＞狐につままれたようだな、と思いながらも校長室に入ってみた。すると校長先生がカード添えのチョコレートをくだった。カードにはちゃんと「○○えきう様」と書いてあった。私は○○先生に名前を覚えてもらったので嬉しかった。私の名前をずっと覚えて欲しいな、と思った。離任式の日、担任の先生が
「運動会とか、学校行事には会えますよ。」
と、みんなにおっしゃった。確かに会えるけれど、○○校長先生がいない学校は、なんとなくさびしくなった。しかし、その後、最大の悲劇が訪れた…。
十一月のある日の朝、いきなり放送で
「緊急全校朝会があります。児童の皆さんは体育館に集まってください。」
と、あった。交通安全のことかな、それとも、学校のマナーのことかな。私は考えながら、体育館にいった。体育館の中は水を打ったように静まり返っている。全員そろうと、今の校長先生がゆっくり話し始める。
「前校長先生の○○○○先生が…。」
えっ、○○先生になにか— 胸の中がざわついた。
「○○○○先生がお亡くなりになりました。」
少し前まで朝礼台で面白い話をしてくださった先生が、少し前までにこにこしていた先生が…。嘘だ、嘘だ、と自分に言い聞かせていたが、目からは涙があふれていた。体育館の舞台には○○○○先生の顔写真がさびしくおいてあった。大泣きしていた友達に、私は
「先生はきっと、天国で私たちを見守ってくれているよ。」
と励ました。教室に帰って担任の先生が校長先生のことをたくさん話してくださった。
「○○先生は前からご病気で、手術を何回もしたりしていて調子が悪かったけれど、生徒の前では元気にしていましたし、金時山に登るときもほとんどの人が体調を崩していたけれど、○○先生は一人で登っていました。あの先生は口で言ったことは必ず実行する方でした。」
（先生、これ以上話さないで下さい…。）
私の目からは後から後から涙がこぼれだす。涙で机は＜＜表現・たとえ＞＞まるで池のようになった。学芸会の練習のときまで泣き続けた。永遠の別れほどつらいものはない。○○先生が旅立ってから、学校はますますさびしくなった。
しかし、○○先生はいないけれど、そのさびしさに負けず、これからも強く生きようと思う。もう○○先生には会えなくても、私の心の中では○○先生は生きている。私は人と別れても、そのさびしさに負けず、元気にいくことが大事だと分かった。

　　　講評　　　kiri

　

　こんにちは。新しい学年になって、新しい項目にチャレンジした４月だったね。
　これは本当にいい作文だったね。常体にして、作文がひきしまりました。

　５月もこの調子でね。