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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ファウジーヤの叫び   まこ

ファウジーヤ・カシンジャは、一九七七年、西アフリカのトーゴ共和国に生まれた。ファウジーヤは、彼女の部族の慣習である一夫多妻制と女性性器切除(FGM)に、幼い頃から強い反感を覚える。FGMとは、結婚前の女性の性器を刃物で切り取る、アフリカの慣習である。十七歳の時に、強制的に女性性器切除と、妻を何人も持った男と結婚をさせられそうになり、ドイツに逃亡する。そして彼女は亡命を望み、アメリカに渡るが、そこで待っていたのは地獄のような監獄生活だった。看守のいじめや生活環境の悪さに耐えながら、彼女は必死に亡命申請を求め続ける。しかしなかなか裁判を起こす機会が与えられず、ファウジーヤは十六ヶ月に及ぶ拘禁生活を強いられる。祖国を離れた寂しさや、収容者に対するひどい扱いに、ファウジーヤの心は次第に壊れてゆく。しかし弁護士や親戚など、多くの人々の助けを借り、十九歳の時に自由を勝ち取る。今はニューヨークで、長年の夢だった大学生活を満喫している。
私は昔から本を読むのが趣味だった。普通小学生というのは、休み時間になると外でドッジボールなどをして遊ぶのが普通かもしれないが、私は教室にこもってもくもくと本を読み続けるタイプだった。伝記など、人のサクセスストーリーを読むのが大好きで、リンカーンやマザー・テレサなど、手に取った伝記は数え切れない。中でも私が一番心を打たれ、強い衝撃を受けたのは、「ファウジーヤの叫び」という本である。この本はノンフィクションで、性差別や移民に対する設備など、様々な問題について説いている。私はほとんどいつも、ベッドの中で本を読むのだが、この本を読み終えた後は、しばらくベッドの中で呆然としていた。書かれている内容があまりにも非現実的で、すぐに脳が内容を理解しようとしなかった。ファウジーヤは監獄で、まるで犬の様な扱いを受けた(例え)。人間が人間として尊重されない場所が、未だにあったのかと思うと、私はどうにもやるせない気持ちになる。そしてそんなひどい扱いを受けている人々に対して、私は何もしてやれないと思うと、自分に対しても嫌悪の情を抱いてしまう。
この本を読んで、私は、世界にはまだ様々な面で、人権が尊重されていない国がたくさんある事を知った。この事実は胸を痛めるが、私のような幸福な人間は絶対に知っておかなければならない事実だと感じる。私もファウジーヤも同じ人間なのに、生まれた国、宗教、慣習などが違うせいで、こんなにも違う扱いを受けていいのだろうか。私はこの本を読み、たくさんの事実を学んだ。人間にとって読書とは、知識を増やし、新しい世界への扉を開けてくれる、永遠の宝だと思う。

   講評   unagi

 <構成>読んだ本の要約ではなく「読書の楽しみは」の要約を書くことになっているのだけれど、そのようなことはどうでもよくなるぐらい素晴らしい紹介文です。「ファウジーヤの叫び」をぜひ読んでみたくなる要約が書けました。

 <題材>「ドッジボールなどはせずに、教室で本を読み続ける」光景が目に浮かびます。読書で受けた衝撃の体験がリアルに描けました。
 <表現>「まるで犬の様な」人格を踏みにじられる様を的確に表現しています。この作文にあえてユーモア項目を入れないあなたの感性に、人間としての良識を感じます。
         
 <主題>魂の震えを感じる一般化の主題です。非常に知的です。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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