創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   生徒が「学校の勉強がつまらない」と   Mura-Mi

 生徒が「学校の勉強がつまらない」と言ってしまうおおむねの原因は、その教科や学問に対して受動的でありすぎるからだと、私は考える。中学生になって数学につまずいてしまう大きな原因の一つは、「なぜ(−2)×(−3)が6になるのか」という疑問を持つ前に「そうなるから覚えなさい」と先生に言われてしまうからだろう。そこでふと立ちどまり能動的に思考をめぐらせ、その上で納得することが出来れば、その先の数学という大洋の航海は順調に進むはずである。学ぶ事に限らず、疑問を持ったうえで考えることが重要視されるべきである。
 私の学校では、「土曜日の部活を禁止して補習を行う」という旨の校長からの提案を、生徒が総力を挙げて「部活と補習の選択は自由とする」という結論に持っていった、ということがあった。このときに、私たちの友人のすごさを感じたのは、全校集会での校長からの説明に対して、多くの疑問点を挙げて反論できた点である。昔から、上から押し付けられたことは仕方なく受け入れる癖がついてしまった自分だったら、校長の説明も「なるほど、そういう考え方もあるなぁ」と受け入れてしまったかもしれない。「この主張はこの点がおかしいのではないか」と懐疑的に思考をめぐらせれば、自分達の求める自由も手に入るものなんだと感じた瞬間であった。そのためには、主張や意見を聞き入れる時、それを受け入れる心構えは持ちながらも、自分の考えや価値観とそれを照らし合わせることが大切だと思う。イタリアのルネサンスが近代の幕開けとなる近世の始まるきっかけとなったのは、それまで社会を支配していた王権神授の考え方に疑問を持って、自分の頭で考え始めたからであるし、ルターが95ヶ条の論題を掲げ宗教改革が始まったのも、免罪符という存在への疑問があったからである。
 疑問を持った上で考えるためには、ある分野について別のアプローチをした考え方を知ることも有効な方法の一つであろう。日本プロ野球の将来を明るくする解決策を探してもなかなか解見つからない時には、少し違うアプローチで運営しているスポーツリーグに目を移すと良い。たとえば完全閉鎖のかたちを取り戦力均衡のための手段を多くもつアメリカメジャーリーグ。一方、選手獲得を自由競争とする代わりに、その戦力不平等が深刻な問題にならないような構造をとっている日本Jリーグなどに目を移すと、日本プロ野球の矛盾点が見えてくるのである。さまざまなアプローチを知ることで、新しい疑問を持つことができると思う。
 確かに、疑問に疑問を重ねるときりがなく、信じていいものも信じられなくなってしまうだろう。しかし歴史を変えてきたのは服属でなく反発であり、その反発は現状への疑問から生じた。人間が自分の考えを貫いてゆくには、与えられる事に、常に懐疑的であるべきなのである。

   講評   nane

 数学の話題を文学的に書くところが、Mura君らしい個性だね。
 「確かに、疑問に疑問を重ねるときりがなく、信じていいものも信じられなくなってしまうだろう。」の反対理解は、ちょっと弱いか。反対意見の更に積極的な面を取り上げていこう。
 前にも書いたけど、「歴史を変えてきたのは服属でなく反発であり……」は切れ味のいい表現。

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