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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   多面的な見方   くるりんぱ

 ふだん私たちは、コインを丸いものと見なしている。けれども、常に円形に見えるわけでなく、水平方向から眺めれば長方形に見える。つまり、視点が違うと見え方がちがってくるのである。すなわち、物事は多面的に見ることが必要であると私は思う。
 その理由は二つある。第一の理由として、視点を変えることによって新しい発見があるからである。私は結婚後すぐ、アメリカのロッキー山脈の中腹にある小都市に住む機会があった。日本とちがい車で30分も走れば人家もなくなり、名もない湖やクリークがそこかしこにあるという自然に恵まれた環境であった。ある日、ドライブの途中の休憩で切り立った崖の上から下方を見下ろしているとき、ふと遠くのほうに目をやると川が蛇行しているのが見えた。川はヘビの身体のようにくねくねと蛇行している。さらに、川のカーブの横には規則正しく三日月の形や円形の小さな湖ができている。思わず、「あっ」という言葉がでてきた。下に見えているこの湖は、高校の地理で習った三日月湖にちがいないと確信したからだ。その風景は教科書に書いてあった通りで、上から見ると三日月湖ができていく様子がよくわかる。川のすぐそばを車で走ったときは近過ぎて湖の形が三日月とは全く気付かず、ましてや湖と川が関係あるとは露とも思わなかった。しかし崖の上から見るというほんの少し視点を変えただけで、同じものが全く違って見えてきたのだ。このように、ものごとをみるとき視点を変えることによって新しい発見をすることができるのである。
 第二の理由として、ちがう視点から見ていくことで思い込みによる誤解を防ぎ、お互いを理解できる部分が生まれ、よりよいものをつくっていくことができるからである。つい先日、東京都知事選挙が行なわれた。それに伴い、テレビで政見放送を見る機会があった。各候補者が自分の主張を述べているが、それぞれ重点を置いている項目が全く違う。ある人は福祉であり、別の人は景気対策であったりと、それぞれが大切に思うことに力をいれて話している。また、オリンピックに関しても誘致する、しないと意見が真っ二つに分かれている。小学生の頃は、なぜ違う意見を言い合ってけんかするのだろう、みんな仲良くすればいいのになあ、と単純に思っていた。もちろん大人になった今は、このように議論をする大切さがよくわかる。一方向のみから見た片寄った意見だけを取り上げるのではなく、たくさんの人が違う視点をもって集めた意見を付き合わせていく必要がある。集まった意見を議論の中でお互いにほんの少しずつ視点を変えながらそれぞれが理解し、押したり引いたりしながらまとめていくからこそ、バランスの取れた政治ができるのではないだろうか。
 確かに一面的にみることはわかりやすい。しかし、一つの見方だけにとらわれていたら物事の本質まで見抜けない場合もあるだろう。「大きなことをしようとする人は、細部を深く考えなければならない。」という名言があるように、常にいろいろな視点から物事を見ていかないと一つのことをやり遂げることはできない。先入観や思い込みにとらわれることなく、常に他の見方はないか、他の人の考えはどうだろうかとアンテナだけは高くして物事を多面的に見るように心掛けたい。

   講評   hota

 要約部分も、うまく導入に変えてありましたね。そうすると、また森リンの点数がアップしていました。つまり、元の文章より、いい文章になっているということですね(そう考えて喜んでおきましょう(笑))。

★くるりんぱさんあたりになると、そろそろ余裕が出てきて、いろいろな長文があって面白いと感じませんか? 楽しめるようになれば、かなりのものです。

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