対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日3224 今日2624 合計58184
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   恐いくらい楽しい   

 「あ、この柄可愛い〜。でもこれに似た奴この前買ったしなぁ。それを考えるとこっちの方が…。」
台詞だけ聞けば女の子のありがちな買い物風景である。しかし、私が買っているのは洋服とかバッグとかそんな女の子達がよく買い物するアイテムではない。
「あんたさ、そんなに買って何書くつもり?」呆れた友達の一言。「何『書く』つもり」…そう。私は先程から、2,3冊のノートとにらめっこをし続けているのだ。
 友達の言うように何かを書くのならまぁ普通だろう。しかし私に買われていったノート達は大抵「ものを書きとめる」という自分の役目を果たすことはない。何故なら私の机の「My note」スペースに綺麗にしまわれてしまうからだ。なら何のために集めているのか。…それがわかれば苦労はしない。
 最初は、ちゃんと理由があった。それまで勉強に使うようなシンプルなノートしか見たことのなかった私は、偶然立ち寄った文房具店の可愛いノートにとても惹かれた。「これで日記でも書こうかなぁ」それが始まりだったか。しかしその数日後、私はまた好みの柄のノートを見つけてしまったのである。「私って文章の量多いから!すぐ書き終わるだろうからそのために!」…誰に言い訳しているのか。そんな感じで2冊目も買ってしまった。しかしその数日後——察しの良い人はおわかりだろうが——私はまた自分好みのノートを見つけてしまったのである。「2冊買ったら3冊も同じだぁ!」3なら4も、4なら5も…それ以来、私のノート集めは止まることを知らない。むしろ坂道を転がるボールのように、どんどん勢いを増していったのである。
 そういえば、私は小さい頃から何かを集めるのが好きだった。塗り絵、パズル、知恵の輪…。だけど、しばらくすれば収まった。それは、これらが一回やってしまうと二度目はおもしろさが半減(もしくはできなくなる)ものだったからだろう。しかし今回のノート集めは、「一回やる」も何も一切使わずに保管されてしまうからそれがないのだ。だから、母に「あんたそんなに買ってどうする気?ノート専門店でも開くの?」といわれるまでになっても私の『ノート熱』は一向に収まらないのだ。
 人間にとって物を集めることは、自分の満足感を更に増やすものである。集まれば集まる程、気分は満ち足りていく。それが気持ちよいから更に集める。集まらないと、別に自分に必要のないものでも、何か損失した気分になる。だから探す。そして見つかり満足する。これがどんどん繰り返されていく。…何だかこういう書き方をすると恐い。そんなことなんか考えず、気が付いたら手が伸びてしまう、という方が適切かも知れない。…これはこれで恐いか。

   講評   nane

 書き出しの実例は、共感できるね。かわいいものを買って、買ったことに満足して、それをしまっておくだけというのは、だれにでもありそう。
 ノート集めが趣味というのは、まあ、安上がりでいいと思うよ。(笑)これからもかわいいノートをたくさん集めてね。
 しかし、本格的に日記などをたくさん書くようになると、ノートの形式が決まっていた方が書きやすくなる。そのうちルーズリーフなどに書くようになるのではないかと思うけど。
 結びの意見も面白い。
 今回も読み応えのあるいい作品。
 「集める」というテーマで、自分の体験を中心に書いていくのもいいけど、途中に社会的な話題を入れると、ぐっと小論文的になる。今度、考えてみよう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)