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　　　長所で尊敬　　　かせり

　じぶんがだれかということがよくわからなくなるとき、人は自分の存在が他者にとってわずかでも意味があることを感じると自分を見失わないでいられる。私は毎週土曜日に配達される「朝日中学生ウィークリー」という新聞をよんでいる。そこにはいじめのことについて読者が悩み事を書いたり励ましたりできる欄があり、それを読んで気付いたことがある。それは、いじめられても負けないような人はいつも友人や親からアドバイスをもらったり助け合っている、ということだ。いじめられて「私は邪魔者なんだ…」と思い、誰にもなにも言わない人はなかなかいじめが収まらないが、「これは神様が与えられた試練なんだから、がんばれ。」などと言われ少しでもプラスに考えられる人は必ずいじめを乗り越えられる。私は自分の存在を自覚するには人と人が助け合って尊敬しあうことが大切だと思う。
　第一の理由は、人と人が助け合うことでお互いなにかを乗り越えられるからだ。私が先日読んだ本の主人公は有名な女優でマネージャーが二人いた。しかし二人はあまり意見が合わないためいつもけんかにはならないがあまりお互いのことをよく思っていなかった。そして、あるとき二人は大喧嘩をして主人公があまりマネージャーと上手くいっていない、などといううわさを起こしてしまった。そこで二人は自分達が仲が悪ければ主人公までもいやな気分になることがわかり、お互いの長所を褒めあい、協力していった。そうしたら何事も上手くいったのだ。私はこれはお互いがお互いの短所を見るのではなく、長所をみることができたからだと思う。
　第二の理由は、助け合うことで自分がもっとよい人間になれるからだ。私はこの前テストでとても良い点が取れ、私の隣の友人も自己ベストが取れた。私は自分が悪い点数を取ったときは必ずいえないが自分が良い点をとれたその日は二人で褒めあったのだ。私の友人が私の点数をみて褒めてくれたので私もその友人のことを褒めることができた。私は褒められて自分が頑張ったんだな、と思うことができたし、心から友人のことを褒めることができた。私は人はお互いを尊敬しあうことで自分の存在を自覚できるし、もっとよい人間になれるのだとおもう。
　確かに、人の短所とは見つけやすいものだ。しかし、「良い友人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない。」という名言のように自分の長所をみつけ自分の存在を自覚できれば人は自然とその人に寄ってくると私は思う。私は自分がすこし頑張りよい結果がでたときは自分の存在を確認できるチャンスだと思う。それを自分の自信にし、もっと頑張りひとを尊敬することができるからだ。私は自分の長所で自分を尊敬することは大切だと思う。

　　　講評　　　tama

　かせりさんくらいの年齢になると、「自分」とはいったい何か、何のために存在するのか、などということを考えることがあるでしょう。そんなときには自分や他人を否定的に見るのではなく、他人とのかかわりの中で助け合い、認め合うことが大切だと思ったのですね。非常に前向きで、好感の持てる意見です。このように考える人ばかりになれば、明るい未来が開けてきそうですね。

【複数の理由・体験実例】　読書体験から、お互いの短所ではなく、長所を見ることの大切さを感じ取ることができたのですね。文章の理解と、意見文への応用が、実に見事です。
　お友達とテストの点数を褒めあったとは、とてもほほえましいですね。お互いの努力と健闘をたたえ合い、尊敬しあうことで、自分の価値と存在を自覚できたとは素晴らしいことです。心を広く持つことは、視野を広げるきっかけになり、お互いの成長につながると思います。

【名言の引用】　実感を込めて名言を引用することができましたね！　かせりさん自身が「良い友人」であったからこそ、「良い友人」に恵まれたのでしょう。読むと気分が爽やかになる文章でした。