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　　　日本の文化とコミュニケーション　清書　　　かせり

　日本人は言葉を口に出さなくても、同じ景色を見るだけで言葉が通じ合う。西洋人のように、自分の感情を相手にぶつけることはめったにない。そのかわり、同じものを見るのだ。花見、月見、そして雪見は日本人の自然観賞の基本だ。そしてそれらは日本文化のなかでのコミュニケーションの方法である、とも言われている。私の学校は国際学園なのでヨーロッパやアジアなど世界各地から生徒がきている。これは最近気付いたことだが、クラスでディベートするときに、やはりヨーロッパやアメリカから来た西洋人のほうが意見をストレートにいっていた。そしてこの学校に何年間も通い続けている日本人も物事をストレートにいうようになってきている。しかし私は言葉で表さない日本のコミュニケーションを大切にしたほうがいいと思う。
　第一の理由は同じときに同じ景色を見ていると自然と相手の気持ちが意外ともっとよく分かってくるからだ。私が以前読んだ本の主人公の学校では劇のオーディションがあり、その主役に立候補したのだった。そのことを主人公の女の子は近所の仲良しの年上の男の子に話していた。そしていよいよ結果発表の日が来て、見事女の子は受かったのだ!　その子はすぐに近所の男の子に伝えたかったが、忙しそうにしているので後で言おうとしたときにふとそのこと目が合った。そしてその数秒間でその男の子はオーディションに受かったのだ、と分かったのだ。
　第二の理由は日本の伝統行事では一人一人がなにもいわず同じことをしているだけで楽しくなれるからだ。私は去年、祖父母の家に行ったとき、近くで夏祭りがやっていたので少し行ってみることにした。場所はすぐ近くの公園だったが、なぜかいつもと雰囲気が違っていた。それは私は近所の人が皆同じことをやろうとして、同じことをして楽しんでいたからだと思う。言葉で「楽しいね。美味しいね。」などと言わなくても同じことをするだけで相手の気持ちが分かる。私は日本のコミュニケーションの方法は日本の伝統行事を残すためにもなると思う。
　確かに、物事をはっきりと伝えるコミュニケーションのほうが相手がなにを思っているかよく分かるときもある。しかし、「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである。」という名言のように言葉をつかわずにコミュニケーションをとる日本人はいいと私は思う。物事をあまりストレートに言い過ぎても相手に不快感を与えてしまうかもしれないけれど、言葉を使わなければそのようなことはほとんどない。私は日本の伝統文化を守るためにも日本人独特のコミュニケーション方法を使ったほうがいいと思う。

　　　講評　　　tama

　美しい日本の心を大切にしようという、しっかりとした意見聞でした。今年は夏祭りと月見は終わったので、次は雪見を楽しむとしましょうか。

　１０月から新しい課題フォルダになります。項目が少し変わり、目標字数も増えますが、一つずつ確実にできるよう、いっしょにがんばりましょう。