国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   僕達がしなければならないこと   本因坊

 孔子という人物を知っているだろうか。まあ、とても有名だから大体の人は分かるだろう。分からない人のために説明するが、まず、孔子は子牛ではない。えっ? 子牛? と聞く人が多いだからだ。次に、孔子は何千年も前の中国の人である。キリストよりも以前の人だからとても前、ということが分かる。その頃、今のような本は無かった。(まあ、当たり前だが)だから、閉じ紐という紐を竹の薄く切った板につなげて、一冊の本にする。これを、孔子は、一体全体何度開き、何度読んだのだろうか。閉じ紐が三度も切れたというのだから、相当な数読んだのだろう。それにしても、孔子は一冊の本を、よくここまで深く読んだものだ。
 僕も、もう一度読みたい! と思う本は山ほどある。初読の時は、この先どうなるのかなあ、とドキドキ。再読の時は、あっそうだ、こんな風に物語が進んだんだ、と思い出す。だから、忘れた頃にもう一度、同じ本を読むと、同じドキドキ感が味わえる。例えば、「大泥棒ホッツェンプロッツ」。全部で三巻あり、何度も物を盗もうとしたりする大泥棒のホッツェンプロッツと、間抜けな警察官とが大対決。子供も泥棒のすみかを探し当て、そして捕まえようとする面白い物語だ。また、こんなこともある。何度も読みたくなるわけではないのだが、一度読んだ話で、題名は「両親をしつけよう!」である。子供が親に勉強をやれ、勉強をやれ、と厳しく躾る。いくら可愛い子には度をさせよといえども、躾すぎだ。その時、僕は怒った。いくらなんでもやりすぎだ。主人公に同情できる。「おーい。物語の中の人物の一人として、頑張れよー。」と声をかけたくなる。そして、次の瞬間、僕の口からは、こんな言葉が飛び出していた。「もう、この本読みたくない。」嫌だった。こんな辛い経験のことを書いた文章は、物語といえども、腹が立つ。
 母も、同じような経験をしたことがある。もちろん、この人物のような体験ではなくて、このような本を読んだ体験だ。その一冊が、誰でも知っている「悲劇の少女『アンネ』」である。別名、アンネの日記ともいわれている。しかし、この原因を作ったのは、1933年にヒトラー政権樹立のヒトラーである。1900年代前半、ナチス・ドイツの首相になったアドルフ・ヒトラーが、ユダヤ人を虐殺したのは知っているだろう。その、虐殺された人の中に、アンネ・フランクはいた。三年間も、ある隠れ家にこっそりと住み、知り合いから時々差し入れをもらっていた。このとき、アンネの日記は書かれた。静かに静かに、見つからずに三年間も隠れていられたのに、一体何故ドイツ軍に見つかってしまったのだろうか。答えは、仲間の裏切りにあった。ひっそりと暮らしていたある日、その仲間はドイツ軍にそのことを伝える。それを知ったドイツ軍が隠れ家に突入する。初めは、どこにその隠れ家があるのかはドイツ軍にも分からなかった。けれども、最後には見つけ出し、捕まえ、収容所へ送られる。こんな何万人にも及ぶ虐殺を、一人の男、ヒトラーが行なった。一体どんな理由なのだろうか。僕の母が疑問に思うところは、何故そんな一人で、そんな悲劇的で残酷なことを行なうことが出来たのか、周りの兵隊達は、何故そんなことに反対しなかったかである。たしかにそうである。
 このような衝撃的な本や、難しい本は何度も読んだ方がいい。けれども、テレビや漫画ばかり見たり読んだりし、難しい本を一切読まないと、どんどん知能は低下していく。だから、漫画やテレビは控えめに、そして難しい本は幾度も幾度も読み直すほうがいい。
 僕は、大昔の有名人物の中国人、孔子が、何度も竹と閉じ紐で閉じて作られた本を読み、三回も紐が切れ、それほど本を沢山読んだ人だ、ということが分かった。そして、未来の地球人の顔となる僕達私達は、もっと本を読もう! なぜなら、ヒトラーのような独裁者が現れたとしても、その行動に対して、誰もが反対することが出来るようになる、つまり、知能が上がり、考えが豊かに、豊富になるからだ。

   講評   nane

 複数の実例を結びの意見のところで、うまくまとめたね。
 本をなぜ読むかというと、個人のレベルでは面白いからだけど、社会全体のレベルで言えば、読む力のある人が増えれば増えるほどいい社会が生まれるからと言えるだろうね。
 しかし、そのためには、もちろん言論の自由も必要。ヒトラーの時代も、いろいろ疑問に思った人はいたはずだけど、それが大きい声にならなかった。
 今は、みんなが自分の意見を言える社会になったから、もう昔のような時代にはならない。更にたくさん本を読んで、新しい社会を作っていこう。
 来週はテスト。似た話を準備してきてね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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