国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『私』から『我々』へ   くろーばー

 宇宙飛行士たちの話を聞いているうちに、宇宙ではみな共通の体験をしていると私は確信するようになった。彼らはみな、宇宙で『私』と言う固体意識が取り払われるような体験をしているのだ。その体験を最も分かりやすく話してくれたラッセル・シュワイカートは、このように感じたと言う。『今、ここにいるのは『私』であって『私』でなく、全ての生けとし生ける者としての『我々』なんだ。』と。このような宇宙体験でシュワイカートが体験した『私』という固体意識から『我々』という地球意識の脱皮は、今この地球に住む全ての人々に求められているだろう。
 第一の意見Aとしては、自分の利益を考える事は、もちろん大切だ。バレエでも、自分が上手くなりたいから他人の踊りを見て自分の踊りを訂正したり(人のふり見て我がふり直せ、と言ったところだろう)人より上達したいという競争意識から最終的に自分自身が上達できるのだ。今学校の体育で女子はサッカーをやっているのだが、点を入れて勝ちたいから必死にやり、やる気を出すことによって相手もヒートアップし結局はどちらも全力投球的ないい試合になった。なにもサッカーに限らずバスケットボールでもバレーボール・バトミントン・テニス・野球など様々なスポーツでも同じことが言えるだろう。自分の利益を考えることが自分の向上につながるのは当たり前だし、一人一人がその様に取り組めば全体の活性化にもつながると思う。自己の利益の追求こそが良い結果へつながるのだ。
 第二の意見Bとしては、しかし全体としての利益を考えていくことも大切である。自己中心的に利益を考えてばっかりでは世界全体が平和で落ち着くことは無いだろう。国同士がいがみあい、敵対し、争ってばかりでは進歩も何も出来るはずが無いのだ。昔話の『かさ地蔵』でも、おじいさんは自分の利益を重要視せず、お地蔵様にかさを被せて帰路についた。するとその日の夜、感謝したお地蔵様が食べ物などを恵みに来てくれる、という話だが、これも全体の(すなわち皆を守っているお地蔵様の)利益になることをすれば、いつか必ず報われる、という教えではないだろうか。自分だけではなく相手のことも、我が国だけではなく外国のことも、そして地球だけではなく宇宙全体の事まで考え、そして一体となって『我々』という意識に方向転換していかねばならない。
 確かに自分の利益を考えて行動するのも、全体の利益重視でやるのも、どちらにもそれぞれの良さがある。だがしかし、最も大切で忘れてはならないのは『私たちの幸福が、他の人々の不幸に支えられているのであってはならない。』という名言がある。このように、個人は個人、皆はみんな、ではなくて一人一人の利益を求めることが結果として全体の利益の追求へとつながっていく社会を築くことが地球意識への第一歩でなのだ≪総合化≫。時代は、歪みあった個人戦から丸く収まる団体戦へと変わっていくべきときになのかもしれない。

   講評   kira

 くろーばーさん、こんにちは。いい作品です。私たちの生きる民主主義の近代社会は、自由競争で成長してきました。個人の幸福(利益)の追求が基本にあって、社会全体が上向きなのですね。
 しかし、今はそこからさらに一歩進んで、全体を考える時代になるべきだと考えました。「かさ地蔵」の清貧のおじいさんのように、みんなのためにという考え方を持つことが、いつしか自分にあたたかく返って来る。私はこれは「おかげさまで」という感謝の念をもって生きることではないかと思うのです。
 競争にあけくれた社会が、お互いに協調する時代がきたのですね。くろーばーさんの「時代は、歪みあった個人戦から丸く収まる団体戦へと変わっていくべきときになのかもしれない。」は、光る表現ですね。

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