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　　　素敵な言葉　　　ゆうたん

私たちがことばを使っているときは、表される内容にばかり感心があり、ことばそのものにはあまり注意を払わない。しかし、詩を読むと日常あまり意識していないことばそのもの存在を意識させられる。そこで、日常の世界の中でしなかったような新しい経験をことばが生みだす、ということが起きている。これは「伝達」と「創造」でとらえることもできるし、ことばの「実用的」な働きと「美的な」働きと言われることもある。私は、素敵な言葉を大切にするべきだと思う。
　第一の理由は、実用的な言葉ばかりではつまらないからだ。私たちは、言葉を使って遊んでいることが多い。例えば、ダジャレだ。ダジャレはくだらなくてつい笑ってしまうようなものだが、自分で作ろうとすると意外に難しい。しりとりも言葉遊びの一種だと思う。言葉の最後と言葉の最初をつなげていくしりとりは、単純な遊びだが、昔からよくやる遊びだ。このように言葉遊びをしていると、言葉のおもしろさがわかる。ただ、会話や文章を書くためだけに言葉を使うのはつまらないが、遊びに使うとおもしろいものだ。
第二の理由は、素敵な言葉は印象に残りやすいからだ。私が学校で習った詩の中に、「にんげんの歴史の幹から分かれた小枝に」という文章があった。私はその言葉がとても印象に残っている。今考えてみると、それは私たちが大切にしたい素敵な言葉なのだと思う。また、テレビを見ていると必ず流れるＣＭも印象に残りやすいものが多い。何種類も流れる中で頭に残るものは、おもしろい言葉遣いやきれいな歌詞などのものが多い。特に、おもしろい歌詞の歌などはずっと頭の中に流れていることがある。最近は、そのようなＣＭは人々の中で話題になり、いろいろな場所で取り上げられていることも多い。企業の宣伝費について調べてみたところ、日本企業広告費ランキングで１位なのは１０５４億円のトヨタ自動車だった。他の企業も宣伝費にとてもお金をかけているが、ＣＭの力は大きいと思うし、そのＣＭは言葉が重要な役割をしているのだ。
確かに、言葉は正確に事実を伝えるための伝達手段でもある。しかし、「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」という名言があるように、事実を正確に伝えるためだけではないと思う。だから私は、素敵な言葉を大切にするべきだと思う。

　　　講評　　　onopi

　私の声がかれていたので、「詩的な言葉」が「素敵な言葉」に聞こえてしまったようです。ごめんなさいね。
　言葉は主として実用的に使われるものですが、詩のように創造性をともなって使われることもあります。第一段落で詩的な言葉の使い方を肯定した後、そう考える理由を書いてくれました。一つ目はおもしろさ、二つ目はインパクトの面から考えてくれたようです。言葉遊びにはダジャレやしりとり、回文などいろいろありますが、書いてくれているように本気でやろうとするとけっこう頭を使います。そこに思わぬ発見があったりしますから、創造性の高いものです。インパクトの強さにおいても言葉の働きは大きいものがあります。説明するのに文章を長々と読むより、いくつかの言葉に思いを込めてさらりと言ってしまった方がより印象に残ったりします。テレビのコマーシャルなどがいい例です。そのことを具体的な数字を入れながら書くことができました。最後の段落は反対意見への理解を示した後、名言を引用して考えをまとめることができました。