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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人生の先輩   マロン

 昔話には類話というものがあり,類話の多様性は人生の問題の解決方法の多様性を示している。人によっていろいろな生き方があり,それはそれなりに面白いものだ,と昔話の知恵は我々に語りかけてくるのである。
 私は昔話からいろいろなことを学べるような生き方をしたい。「かさこじぞう」という昔話がある。売れ残った傘をおじいさんが地蔵にかけてあげる話だが,これは思いやり,優しさの大切さを示している。このように昔話は,人生において必要なことをたくさん含んでいるのだ。
 また,日本の昔話によく登場するお年寄りの話は,人生のヒントになるようなものばかりである。「亀の甲より年の功」というように長年の経験を尊び,昔話を生かしていきたい。
 そのためには,まず昔話から人生の教訓を読み取るように心がけることが挙げられる。
 昔話は小さな子どもが読む,幼稚なものだと思われがちであるが,実はそうではない。昔話は一つの教科書であると私は思う。私は,「桃太郎」では仲間の大切さを,「赤いくつ」では謙虚な気持ちの大切さを学んだ。このように私たちは物語を読んでいくことによって,知らず知らずのうちに道徳的なことが身についてくるのである。だから昔話はもっと見直されるべきである。
 日本では最近,昔話を広める動きも見られる。例えば,テレビアニメやバラエティー番組でも昔話は取り上げられているし,お菓子のおまけで小さな絵本がついていたりもする。せっかくのこうした動きを無駄にするのではなく,子どもも大人もそれを生かしていくべきではないだろうか。
 また,昔話だけでなく,価値がないと考えられがちの古いものにも多くの意味がある。やはり,日本の伝統や知恵を身につけることは日本人として生きていくうえでの基本であると思う。その地方でつくられたものを売る「道の駅」では,お年寄りの作った和菓子が人気である。海外で学んだパテシェの作るケーキもおいしいが,伝統のあるお団子は,懐かしい味がして食べると落ち着く気がする。私は,昔話から,またお年寄から学ぶことは大切であり,先の代まで受け継いでいくべきだと思った。
 第ニの方法としては,昔話の文化をしっかり保存していくことが挙げられる。近年,日本は小家族化が進み,お年寄と一緒に暮らしていない若者が増えている。これでは伝統が伝わりづらい。だから,学校や社会が,昔のことを生かせるような仕組みを作っていくことが必要である。私の小学校には茶道や詩吟の先生が来て教えてくれたし,通っていた珠算教室では,休み時間に先生がお手玉やけんだまで一緒に遊んでくれた。このように学校や会社も文化,技術の継承を積極的に取り入れるべきである。
 「古代への情熱」の著者であり,ドイツの考古学者のシュリーマンは,子どもの頃に絵本で読んだトロイ戦争を信じ,独力でトロイの都や遺跡を発掘した。私たちも子どもの頃読んだ昔話やそこから学んだことを忘れてはならない。
 確かに現代の最新の知識や技術を生かすことは大事である。医学などはそうでないと全く進歩しないし,流行の本を読むことは楽しく,新しいものは合理的で便利である。しかし一つ一つの昔話,お年寄りの話にはそれぞれ伝統と昔ながらの知恵,メッセージが詰まっている。「読書は人間を豊かにし,討議は人間を役立つようにし,文章を書くことは人間を正確にする」という言葉があるように,私たちはもっと昔話から生き方を学んでいくべきではないだろうか。昔話は私たちの人生における先輩であり,昔話の数だけ人生があるのである。

   講評   miki

  
 推敲を充分にして、清書作品を仕上げることができましたね。たいへん良く出来ました。
 10月の森リン大賞2位、本当に、よかったですね。連続入賞で、先生も、すごくうれしい!!
(^v^)
      

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