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　　　時代と共に変化する価値観　　　LOLLIPOP

　どの時代のどの国にも人々の安全と満足を求める欲望が集まった文化コードが存在し、それが私たちを無意識に支配している。そして、交換価値が変化すれば常識も個人の欲望も必然的に変化するという。確かに、時代によってその時の価値観は全く異なり、それに伴って個人の理想も異なる。日本では、平安時代の頃は長い黒髪の女性が美人の模範であったが今は別に長くなくても美人はいるし、逆に黒以外の色に染めたがり欧米系のスタイルが美人としての価値観のように思われる。誰もが小顔で細く、足が長い容姿に憧れる。そのために今では、様々なダイエット法や整形技術が発達している。だが、そもそも誰がどのタイミングで様々な個人の欲望の価値観を変え、無意識に私たちを支配しているのだろうか。
　私もスタイルが良くなりたいと思っていて何かと気をつけているが、なぜそう思うようになったのか不思議だ。本当に無意識のうちに価値観が頭の中に埋め込まれている。この正体はマスメディアだと思う。新聞や雑誌、テレビを通じてその時代の流行が私たちに浸透しているに違いない。メディア側が私たちに現代の理想の姿や生活などを提示し、それを私たちはほぼ洗脳されたように受け止めているのだろう。個人としての権力者ではなく、作られた情報によって私たちは支配されいるのではないか。
　以前私は、これもメディアを通じてなのだが、テレビで流行についての特集を観た。そこでは、あるファッションのスタイルを流行らせるために企画をしているファッション会社の紹介をしていた。何人もの人と今年はどのようなファッションを創り出し、どのようにしてそれを効率良く抵抗感を与えずに広めることができるか、など話し合っていた。これは、まさしく私たちの価値観を上手く利用して行われている商法であった。
　私は、このような企業の商売目的のために理想の姿などを決められ、振り回されているのかと恐くなった。メディアにはこのようないかにも真実のようで実は意図的な意味が含まれている情報を広めるのに絶対的な力があるのだと知った。この作られた文化のコードに惑わされずに、自分の正しいと思う価値観を大切にし周囲に流されないようにする必要がある。そうしないと、何が事実なのか分からなくなり時代に振り回されるだけの人になりかねないからだ。韓国の女性で、美人の価値観が狂い、整形を続けた結果取り返しのつかない姿になってしまい人生が台無しになってしまった人がいる。自分の強い意志、それも周りに流されない正しい判断をすることができる意志を持てば、この女性のような失敗はしないだろう。
　しかし、時代の変化と共に変化し続ける欲望は恐ろしいもので、時々自分を危うく見失いかけてメディアが提供する価値観に流されてしまいそうになる。今のマスメディアが発展している時代において、この事態は避けることができないのかもしれない。私たちはもはや、これらのマスネディアに囲まれて生活しており、それ無しでは生きられない。したがって、この状況の下では周りから受け取る様々な価値観に惑わされるのではく、その中に含まれる自分の正しいと思う価値観を見つけ自分を見失わないことが大切だと思う。ソクラテスの言葉に「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」とあるように、私たちは文化コードによる理想とする欲望のために生きずに、自分の生き方に一時的ではない正しい価値観が伴うように生きる必要があると思う。

　　　講評　　　nikoro

　森リン、今回も期待できそうですね。