創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   もののけに負けるな   ハーマイオニー

 モノに妖怪「もののけ」がつくと、そのモノをむしょうに捨てたくなる。人類は、これまでモノを捨てずにむしろ拾うことを常態としてきたが、産業革命で大量生産が可能になって以後、消費を上回る生産を守るために妖怪「もののけ」が利用されるようになった。現在の流通経済は、妖怪「もののけ」の操作によって円滑に進行している。などという説を、また例の別役実先生が述べている。
 確かに、経済を発展させるためには、古いモノを捨て新しいモノに置き換えていくという 新陳代謝も必要だ。2.2週の長文に「私たちの欲望は、その生きる時代の価値観に左右されている。」という話があった。(長文実例)私も、現在の大量消費社会の一員として、その「価値観」から自由ではいられない。むしろ、流行に敏感な方だと自負している。ゆえに、流行りモノ、女子校生の言うカワイイモノ、オシャレなモノ、を目にすると、黙って通り過ぎることが出来ない。そうして気がつくと、財布は軽くなり、部屋にはモノが溢れる。すぐに飽きられ、やがて忘れ去られ、捨てられてしまうモノたちである。実にもったいない話であるが、このように物欲を克服出来ない消費者が今の経済を支えていると言えるのだ。
 しかし、私たちは、もっとモノを大切にするべきだ。上記のように、衝動買いしたモノの中にも長年大切にしているものもある。まして、本当に欲しくて欲しくてやっと手に入れた宝物のような本やDVDなど、何年も使ったものであっても、ふと抱き締めたくなるほど愛している。そういうときの自分の気持ちには、温かいものが満ちていて、心が豊かになったように感じる。逆に、部屋の隅でほこりをかぶっているような、可哀想なモノたちを見ると、心に隙間風が吹くようだ。思わず目をそらしてしまう。結局、モノを大切にすることとは、所有者である自分を大切にすることに他ならない。
 経済発展のための流通、新陳代謝も、モノを大切にする気持ちも、どちらも重要である。だが、最も大切なことは、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、自分が本当に満足できる心豊かな生活を送ることである。(総合化の主題)余計な見栄を捨て、素のままの自分の心の声に耳を傾け、その声に素直になれば、自ずと正しい消費、正しい選択ができるのではないだろうか。「自分にとって必要」「自分にとって快適」というときの「自分」をしっかり持っていたい。

   講評   nara

 はい、また別役先生の不思議な説ですな。この人の採り上げる題材(具体例)は、一般化にスムースにはつながらない。「で、何が言いたいの?」と思ってしまう。しかしながら、この独自の視点が自分の考えと重なると、この魅力にはまってしまう。ニヤニヤしながら、「こうくると思った。」とか「やや、こう来たか。」と楽しめるようになるよ、ぜひ、他の著作も読んでみて。(しつこいって。笑)『虫づくし』『けものづくし』などの「……づくし」シリーズに『もののけづくし』があるね。
【構成・題材】第一意見、自らの旧作をうまく採り入れられた。作文もたくさん書きためると、そこから題材を持ってくることができるし、考えも有機的につながってくるね。そういう題材が自分の中にあると、仕上げるスピードも速くなるだろうな。第二意見:これはいい。モノに精神がかぶる感じだね。まさに、別役大先生のいうところの「もののけ」につながっていくよ。そういえば、これもまた言葉の森の課題で「大切にしているもの」「家にある古いもの」というテーマがあった。これらもまた、今回の課題の関連でとらえてみるとおもしろいね。
【表現】引用した名言もいいけれど、直前の「結局、モノを大切にすることとは……」というところがいい。これは自作名言ととることもできる。こういう感覚を持ち、それを言葉にできるというのは、素敵なことだと思うよ。
【主題】モノと自分との関係をしっかり論じることができた。モノの大量消費も、大切にすることも、結局は自分自身が投影されているということなのだね。お宝鑑定団で、有名鑑定士が「贋作で商品価値はありません。だけれども、これを大切にしてきた気持ちが……」などとコメントしている。このテーマに使えそうな題材だね。2年生も終わり! 今年度も充実した取り組みができたね。お疲れ様でした。

★舞姫、個人的には終わり方が唐突というか、これ以上広げられなかったのかな、というように思ったけれど、また再開するのかな。普段忙しい分、春休みは少しのんびりしてもいいと思うよ。本も漫画も映画も、たくさん楽しもう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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