対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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創造 おむふ
革命の根底にはなにがあるのだろうか。維新の基調となるのはいかなるものなのか。
万物に恒久はありえない。私はそう思う。いや、これは疑う余地のない事実であるはずだ。花鳥風月はうつろい、天土は変わり行く。永久に変わらずそこにあるもの。そんなものは決してない。偉大なる賢者にも等しく死は訪れる。上古の超大陸パンゲアは今や六大陸となり、太古の超海洋パンサラッサは七つの海となった(パンゲアとは2億5000万年前ごろの大陸である。この当時地球上の大陸とは唯一このパンゲアだけであった。ちなみに最古の超大陸とは19億年前の“ヌーナ”とされている)。そうとも世界には新たなるものが創造され、古のものはやがて滅び行く。これぞ宇宙の根幹にある摂理であろう。故にこの“創造と滅び”について思慮してゆくというのは非常に有意義であるに違いあるまい。これからはこの“創造と滅び”のうち、とくに創造に焦点をあてて考えていきたいと思う。
創造というのは革命であり維新であると思われる。今までの過去に対してなにかをうちたて未来と現在をなしてゆく。これは小さな創造にせよ大いなる創造にしても一つの革命であるはずだ。ではこの“創造”あるいは“革命・維新”とはどうやって現れ出でるのだろうか。人々が石を穿ち文明を彫りなし、信仰、神々、技術、を生み出していった根底にはなにが・・・。これに対する一つの答えとしてこうした意見が挙げられる。「創造の父、それは情念である。」まさにその通りだ。我らの創造の原動力こそ熱き情念であろう。そして情念と連動しているのが欲望だ。知的創造への欲望、発明への願望、スポーツ選手の新記録への渇望。こうした良質な貪欲さこそ必定である。そうとも、この情念を基調として創造してゆく。これぞ私の思う生き方だ。だが、有言実行とは困難極まりない。まさに「言うは易く行うは難し」。この生き方を実行してゆくための方法を考えねばならぬ。創造の過程とはなにか。それを考えてゆく。
一つの意見としては「無理に創造をなしてゆこうとしない」ということがある。 古来、欧陽修という中国の詩人がいたそうだ。彼は、文章を作るときによい考えがよく浮かぶ場所として、馬上・枕上、厠上を挙げたとのこと。いずれも無理に創造を編み出そうとせずすこぶる自然な形でのものである。文章を書こうと思いつめ、机に向かっていたりするよりも、馬の上、床の中、トイレといったところであるほうがアイデアが浮かぶというのだ。またこうした実例もある。モーツァルトは「魔笛」のメロディーを玉突きをしている際に思いつき、ウィリアム・ハミトン卿はダブリン夫人と街を練り歩いているときに数学の発見をした上、化学者ケクレはロンドンのバスの二階に乗っているとき中空に原子の乱舞を見て新しい理論を思いついた。当然創造をしてゆこうという熱意は非常に尊いものである。だがそれを思うあまりむしろ創造の過程を阻むこととなってしまうかもしれない。自然な形態であることこそ創造の礎となるはずだ。「いや、待て。昇天する竜神のごとき情念こそ創造の根幹ではないのか」という意見があるかもしれぬ。だが過度の創造の追及は先述したように創造の妨げとなる場合がある。しっかりとした熱意を持った上で無理にそれを意識せず自然な形でいる。そうすれば真に流麗なる創造ができるはずだ。
だが革命(創造)とは“滅び”もまた伴うものであるかもしれない。イギリスの清教徒革命では王侯は容赦なく殺され、王を殺さなかったことを誉れとする名誉革命でも死者は出た。だが人が創造から生んだものは破壊のみではない。それは具体例を挙げずともだれもが分かるはずだ。情念と自然。先述したようにこの調和こそ創造の奥義だろう。熱意をい心に宿し、滅びを最小限に食い止めるため自然にある。くどいようだがこれぞ創造の真髄だ。この生き方はいずれ私の誇りとなることだろう。
講評 koni
【複数の方法】 「良質な貪欲さこそ必定であり、その情熱を基調に想像していく」という生き方を導き出すことができました。そこにたどりつくまでの実例もわかりやすく説得力があるね。方法を明確に挙げたところもよいです。
【体験実例】 おむふ君は、文章を書くとき、どういうときにひらめくかな。私は、丸一日考えた後の午前中ですね。電車の中やカフェではなかなか書けないです。自分の体験談を1文でよいので入れておくといいでしょう。自分の体験談は最も説得力がでる実例だからね。
【ユーモア表現・名言の引用】 よくできています。
【生き方の主題・反対意見への理解】 反対意見への理解も具体的でわかりやすい。自分の意見をよく主張できています。
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