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元の記事:
言葉の森新聞2023年8月2週号 通算第1766号 (2338字) 言葉の森事務局(jun) 2023/08/10 16:09:17 15165   5     

言葉の森新聞2023年8月2週号 通算第1766号
文責 中根克明(森川林)


■■「大学進学者の8人に1人が辞めている」ことから考える勉強の本当の目的

 次のような記事がありました。

「大学進学者の8人に1人が辞めている衝撃の事実。指定校入学者8割、一般入試10割という中退例も…大学側が伏せる不都合な真実とは」
https://news.yahoo.co.jp/articles/27c40b20b97317e8b978a155acc74cd98d6edf57?page=1

 私がこの記事を見て思ったのは、そもそも「大学に入ることがゴール」になっていることが問題なのではないかということです。

 今の保護者と保護者の両親、つまり子供にとっての父母と祖父母は、過酷な受験競争を経てきた世代です。
 父母と祖父母の若いころは、多くの人にとって大学に入ることが勉強のゴールでした。
 大学の先は、どこか適当なところに就職すればいいので、何しろいい学校に入っておきさえすれば、あとは何とかなるという考えでよかったのです。

 だから、今の子供たちの教育の目標も、多くは、「いい大学に入ること」になっています。
 そのために、いい高校に入ること、いい中学に入ること、いい成績を上げることが勉強の目的なのです。

 そして、受験勉強のノウハウは、学習塾や予備校によって、現在はかなり完成度が高くなっています。
 だから、塾や予備校で先生の教えたとおりのやり方でやれば、成績が上がるという仕組みになっています。

 しかし、そのノウハウの基本は、よく出る問題の解法の詰め込みです。
 大人の敷いた完成度の高いレールに沿って、ただひたすら時間をかけて詰め込めば、その詰め込み度に応じて成績が上がります。


 だから、今の受験勉強は、かつての中国の科挙に似てきています。
 科挙に合格した人は、中国全土の最も優秀と言われた人たちです。
 合格すれば、本人だけでなく、一族も一生安泰でした。

 しかし、その最も優秀な科挙の合格者によって支えられた清朝政府は、西欧の侵略に為すすべもなく屈服しました。
 おおまかに言えば、科挙の合格をゴールにした人たちに、国を支える力はなかったのです。

 今の受験勉強の勝者も似ています。
 小学生のころから、ひたすら受験を目標にした勉強生活を続け、中学、高校と勉強中心の生活を続け、念願の大学にゴールインしたあと、大学から先の目標がなくなってしまう人が多いのです。

 それは、実は、大学はゴールではなかったからです。
 社会に出て、自分らしい仕事をすることこそが、永続するゴールです。
 社会に出て、仕事をし、リーダーになり、自分が理想とする社会を目指して日々努力することがゴールなのです。

 その大きいゴールから考えれば、途中の過程は、多少省略してもいいものです。
 小学生のときに遊んでばかりいて勉強しなかったなどというのは、将来のゴールにとっては何のマイナスにもなりません。

 苦手な科目があるとか、勉強があまり得意でないとか、自分の好きなことばかりしているとかいうのも、何のマイナスでもありません。
 大事なことは、マイナスをなくすことではなく、プラスを伸ばすことです。

 小学校、中学校、高校と、自分の好きなことをして(勉強も、もちろんしていいのですが)、大学に入った人は、大学では更に自分の好きなことに磨きをかけ、そのまま社会に出ていきます。
 社会に出てから活躍することが、本当の目標なのです。

 今の子供たちの両親と祖父母の世代は、子供の教育に対する考え方を軌道修正する必要があります。
 現在の多くの人の教育観のもとになっているものは、一部は高度経済成長時代の価値観で、もう一部は停滞した安定社会を前提とした価値観です。

 しかし、これからは、そういう時代ではありません。
 新しい時代は、すべての人に創造性が求められる時代です。
 新しい時代の教育の目標は、簡単に言えば、ゴールが大学に入ることではなく、社会に出て社長になることと思えばいいのです


 大学の中退者が多いという問題の対策も、中退者を減らすことではなく、大学の先のゴールを作ることこそが本当の対策です。


 ところで、自分の好きなことをして社会に出て活躍するというのは、ユーチューバーになったり、タレントになったり、スポーツ選手になったりすることではありません。
 それは、今の社会の既成の枠に乗って勝者を目指すだけの生き方です。
 他人につけられる順位は、一時的にしか自分の生きる目標になりません。

 社会に出てさまざまな生活をしたり仕事をしたりする中で、その経験を通して感じた矛盾を自分らしく解決することが創造性のある新しい仕事の出発点です。

 だから、学生時代は、さまざまな本を読み、さまざまな経験をし、自分を高めていくことが目標で、そのさまざまな経験の中に勉強することも入っているということです。
 勉強は、いい学校に入るための手段ではなく、自分を向上させるための手段なのです。


 私は、言葉の森で勉強する子供たちを、将来どんな大学に入るかということで見ていません。
 子供たちがそれぞれ、将来、どんな社長になるかということで見ています。
 今、成績がいい子も、成績が悪い子も、それぞれ個性を生かして、自分の得意分野で社会のリーダーになっていけばいいのです。


■■【合格速報】東京学芸大学附属国際中(編入試験)

東京学芸大学附属国際中(編入試験)  I.Hさん 

<担当講師より>
 とても吸収力のある生徒さんでした。受験コースに取り組んだのは短い期間でしたが、ぐんぐんと書く力をつけていってくれました。引き続き、作文クラスを受講してくださるとのこと。さらなる成長が楽しみです。



上の記事に対するコメント▼



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