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オープンの川
 創造と発表の新しい学力
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言葉の森新聞2024年2月3週号 通算第1791号 (4117字) 言葉の森事務局(jun) 2024/02/15 16:56:23 15793   5     

言葉の森新聞2024年2月3週号 通算第1791号
文責 中根克明(森川林)


■■日本は創造教育文化立国を目指せ。新しい時代の産業を作るのが日本人の役割。創造文化の時代を作る前提になるのは創造教育

 人間の歴史は、大きく見ると、狩猟採集時代から、農業革命の開始によって大きく変化しました。

 その農業の時代がしばらく続いたあと、工業革命の時代が始まりました。

 この時代は、工業製品を作るための施設や設備や輸送に多くの資金が必要であったため、資本主義という経済が発達しました。

 しかし、資本主義の時代は、一段落しつつあります。
 工業生産は、まだ産業の中心ですが、家電製品のように、どこの国でも作れるものになっています。

 一時、中国が世界の工場と言われていましたが、今、世界の工場はどこの国でも作れるようになっています。

 工業の時代の先に、宇宙ロケット開発や海洋開発がありますが、それは一部の先端企業が行っていることで、多くの人が参加するものにはなっていません。


 工業の時代の次の時代は、情報の時代と言われたことがありました。
 しかし、情報のインフラはほぼ完成しつつあります。
 むしろ、多くの人は、情報の氾濫から一歩距離を起きたいと思うようになっています。

 では、次の時代は何かというと、私は創造文化の時代だと思います。
 創造文化の土台になるものは創造教育です。

 これからの世界で何が価値あるものかと言えば、それは食料でも、家電製品でも、楽しい旅行でも、豪華な外食でもなく、一人ひとりの創造になりつつあるのです。

 その創造の時代の先端にあるのが日本です。
 日本には、長い江戸時代に花開いたさまざまな創造文化があります。
 この創造を、個性的に発展させていくことがこれからの課題です。

 現在、目につくメジャーな文化産業としては、ゴルフ、サッカー、野球、バスケットボール、各種スポーツ、オリンピック、テレビ、映画、歌、踊り、芸能界、遊園地、旅行などがあります。

 地球人ではない宇宙人が、例えばゴルフやサッカーを見たら、地球人は変わったことに熱中するものだと思うはずです。

 食料や家電製品と比べれば、何の意味もないように見える娯楽に、多くの資金が投入されています。
 それは、その文化産業が、工業生産の延長に生まれた文化産業だからです。


 新しい文化産業は、個性を生かす文化産業です。
 もちろん、中には、茶道や華道や俳句や短歌や落語や漫才のように、参加者の大きな裾野を形成する文化もありますが、文化産業の本質は、個人が自分の個性を生かして創造する文化です。

 私がよく引用するのは、さかなクンが創造した「さかな文化」とも言えるものです。
 これから、多くの人が、「虫文化」「鳥文化」「犬文化」「猫文化」「新しいスポーツ文化」「ダジャレ文化」などを作り出す可能性があります。


 産業は、作る人と求める人が結びついて始まります。
 つまり、生産する人と需要する人がいれば、そこで世の中のお金は回り出します。

 経済とは、お金が回ることです。
 もちろん、将来のベーシックインカムの時代には、お金の必要性はもっと薄まります。
 しかし、人間の生産と需要を結びつけるものとして、お金の流通があることが大事なのです。


 創造文化の時代を作るには、創造的な人々が必要です。
 創造的でない人が、豊かな生活だけを与えられれば、それは「パンとサーカスの時代」に逆戻りすることになります。

 だから、創造文化は、創造教育と結びついています。
 幸い、日本人は、多くの人が個性と創造性を持っています。

 FacebookやXやYouTubeなどでも、日本人は自分らしい発信をしている人が多いように思います。
 もちろん、単なる他人への批判になっている記事も多いのですが(笑)、創造的な発信もまた多いのです。

 それは、出版物を見てもわかります。
 よくこんないろいろなことを考えたり書いたりする人がいるものだと思うような本がたくさん出版されています。


 この日本文化が持つ創造性を発揮して、新しいさまざまな文化産業を作っていくことが、これからの日本の役割になると思います。

■■作文の本質は、書くことではなく考えること
 ChatGPTに任せれば、いろいろな文章をすぐに書いてくれます。
 だから、自分にとってどうでもいいこと、例えば無意味に思える宿題などは、大体のあらすじをつたえてChatGPTに書いてもらうこともできるのです。

 しかし、作文の本質は、書くことではなく考えることです。
 それは、書きながら考えるという過程です。

 この場合の「書く」は、ひとまとまりの長い文章でなくていいのです。
 構想図を書くとか、短文のメモを書くとかいうのも、書きながら考えることです。

 考える土台になるものは、経験と読書です。
 価値ある経験とは、挑戦の経験です。
 価値ある読書とは、難読です。

 経験と読書を土台にして、書きながら考えることが作文の本質です。
 書きながら考えることによって、考えが深まることがあります。
 それが、作文の面白さです。

 書くという結果だけを見れば、書くことはほとんどが単なる作業です。
 その作業的な部分は、ChatGPTなどのAIに任せていいのです。
 しかし、考えるという本質は、自分自身にしかできません。

 料理は人に作ってもらうこともできますが、食べることは自分にしかできません。
 書くことはChatGPTにもできますが、考えることは自分にしかできません。

 ChatGPTを利用するのは、新しい実例を聞いてみるとき、自分の考えとは別の視点を聞いてみるとき、自分の書いた文章を添削してもらうときなどです。

 13歳になったら、メールアドレスを作れるので、ChatGPTのアカウントを作りましょう。
 そして、自分の作品を発表するために、ZOOMのアカウントを作りましょう。
 小学生の高学年は、お父さんやお母さんのアカウントを使わしてもらうのがいいでしょう。

 そして、自分の考えを広げたり深めたりするために、ChatGPTなどのAIテクノロジーを使うのです。


 ただし、小学校の低中学年のころは、書く作業を身につけておくことも必要です。
 それは、計算の練習をしたり、漢字の書き取りの練習をしたりするのと同じです。

■■創造発表の実験の例――真珠色の貝の作り方。与えられた知識を覚えるための勉強ではなく、自分の興味関心を学問に深め、創造に発展させる勉強を
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/2090452130.jpg
毎日小学生新聞2024年2月9日号

 毎日小学生新聞に、「クレオパトラの真珠」という話が載っていました。
 この話の後半に、「サザエの殻を、食酢の中に入れて2晩つけておくと表面が溶けて柔らかくなりブラシでこすると真珠の光沢が表れた」と書いてあります。

 YouTubeで見てみると、サザエやアワビでそういう実験をしている人が何人もいます。

 手軽にできる実験なので、家庭でやってみると面白いと思います。
 ただし、ちょっと時間がかかります。


 こういう実験から、創造と学問へと進むのが、創造発表の勉強の大事なところです。
 「お酢と貝殻がどういう化学反応をするのか」とか、「真珠の養殖を始めた御木本幸吉の生涯を調べてみよう」とか、学問的なことも併せて調べてみるのです。
 実際の実験に裏付けられた知識は、生きた知識として定着します。


 そして更に、手順どおりの実験をするだけでなく、自分で手順にはないことを創造的にやってみるのです。
 しかし、創造的にやることは、大体失敗します(笑)。
 大事なのは、結果ではなく、やってみようと試みることです。


 創造発表の勉強のテーマは、「興味関心を学問に、学問を創造に」です。
 自分の興味関心が最初の出発点です。

 日本のロケットの父と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマの戦いに勝つためには、ベーゴマを重くすれば勝てると思いつきました。
 そこで、夜、両親が寝静まるのを見計らって、ひとりでそっと起き、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込みました。
 そのベーゴマは、その地域最強のベーゴマになったそうです(笑)。
(この話は、「私の履歴書」(日本経済新聞社)に書かれていると思ったのですが、探したらありませんでした。別の本だと思います。)

 こういう創造性が、その後、戦闘機隼の改良やペンシルロケットの開発を生み出すことにつながったのです。


 与えられた知識を覚えて、テストでいい点数を取るだけの勉強ではなく、与えられていないことを自分で見つけて、試行錯誤で創造を試みるということを、これからの子供たちはどんどんやっていくといいと思います。

■■【合格速報】
●東京大学教育学部附属中等教育学校
●明治大学付属中野八王子中学校   M.K.さん

<担当講師より>
 毎週、自分の考えをしっかりと準備して受験コースの課題に取り組んでいました。回を重ねるごとに精度が増して、ぐいぐいと伸びてきた印象です。本番の作文の試験では、時間に余裕をもって書き終えることができたとのこと。
 いつも明るく、前向きな生徒さんです。中学校でも楽しく過ごされることと思います。
 合格おめでとうございます。


●聖母の騎士高等学校  M.N.さん

<担当講師より>
 自分で決めて、受験勉強をコツコツと頑張っていました。M.N.さんの書く作文は、心からの想いがギュッと詰まった作文で、考えていることや内面がうかがえる内容でした。新しい生活も頑張ってほしいです。おめでとうございます!


●國學院久我山高等学校
●淑徳巣鴨高等学校   N.A.さん

<担当講師より>
 小2から言葉の森を続けている生徒さんです。
 合格おめでとうございます!


●福岡工業大学付属城東高校 K.H.さん

<担当講師より>
 苦手な国語読解を、辛抱強く、粘り強く、本当にコツコツとがんばって勉強しました。
 お母様も心を尽くしてサポートされていて、家族で勝ち取った合格だなあと、講師の私も感動しています。
 本当におめでとうございます!



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