低学年から学力の基礎を作る
家庭で作文力つけるためには、どうしたらいいでしょうか。
作文力の土台にあるのは、読む力です。それは、読解力というよりも読書力に近いものです。なぜなら、国語の読解問題の成績がいい子が、必ずしも作文が得意なわけではないからです。
しかし、読書が好きで本をよく読んでいる子は、ほぼ例外なく作文も好きです。たとえ、今は作文があまり得意ではなくても、読書好きな子は少しのアドバイスですぐ上手になります。
しかし、もちろん読書だけではカバーできない作文力独自の分野もあります。その一つは、速く書く力と長く書く力です。これはある程度慣れによるものなので、実際に作文を書かないと身につきません。
もう一つ、書かないとわからないものは、誤字と誤表記のチェックです。それは、勘違いして覚えていることが多いので、実際に書いてみないとチェックできないからです。また自分でいいと思っている表現が、読む人にとってはそうでないということもよくあります。
ところが、家で作文を書く練習すると、数回で子供が嫌がるようになります。作文は、負担が大きくしかも成果が見えない勉強だからです。
これが、ドリルなど行う勉強との違いです。漢字ドリルや計算ドリルは、負担がそれほど大きくなく、やりとげたあとがページ数として残ります。作文はやりとげた感覚を持ちにくいのです。
また、親が作文の勉強で成果を出そうとして書き方の注意をすると、次から次へと注意が出てきて、親も子もくたびれる結果になることがよくあります。
更に、上手な子の作文を見せて、こんなふうに書けばいいなどと教えると、子供はかえってやる気をなくします。それは、子供にとっては多くの場合不可能なことだからです。
だから、作文は家庭ではあまり教えないのが基本です。楽しく読書をして読む力をつけていくことが、家庭での勉強の中心になります。
しかし、文章を書くことに何か意味を持たせれば、家庭でも作文の練習を続けることはできます。
その一つは、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに手紙を書く練習です。その手紙の構成は、書き出しがあいさつ、結びもあいさつ、しかし本部の中身は作文という形になります。
しかし、この場合にも大事なことは、子供が作文を書いたあとは極力直さずに褒めるだけにするということです。
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