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個性と創造の時代における学力  2014年4月19日  No.2124
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 これからの子供の教育を考える際に、二つの大きな流れを見ておく必要があります。

 ひとつは、経済の状況がこれから悪くなっていくことが予想されることです。すると、学習塾や予備校などお金を払って他人に任せるような学習から、家庭で学力をカバーするような学習が求められるようになってきます。そのためには、今の時期から、能率のよい家庭学習のスタイルを作っておく必要があります。

 もうひとつは、世の中の教育環境が、これからよい方向に大きく変わっていくことです。例えば、MOOCのように、誰もが世界中の優れた授業を無料で受けられるような機会が増えてきます。すると、よい学校に入るための入学試験は、基本的に不要となります。

 これからは、入学のための試験ではなく、卒業のための試験が重要になるのです。そのときに必要になるのが、中身のある勉強です。

 中身のある勉強とは、真の実力をつけるための勉強です。実力の中には、基本的な学力のほかに、自分をコントロールする自律力、他人と調和できる人間関係力、全教科のバランス、そして、自分らしい個性の強化などがあります。

 日本はこれから、輸出型の社会から内需型の社会へ変わっていきます。輸出型の社会の時代とは工業の時代で、工業の時代には大企業が有利でした。大企業の時代には、個性よりも、みんなと同じことがよりよくできるという能力が要求されていました。

 しかし、内需の時代には、その人でなければできないという個性が重要になってきます。これまでは、馬力によって社会に貢献する時代でしたが、これからは、個性によって社会に貢献する時代になります。そのためには、子供のころから、その子供の興味や関心を大事に育てていく必要があります。

 個性という言葉は、「勉強ができなくても個性があればよい」という文脈で語られることがありますが、そうではありません。これからの時代に必要になる個性は、学力と結びついた個性です。学力と結びついた個性を育てるためには、使える国語、数学、英語、理科、社会を学んでいく必要があります。

 使える学力をつけるためには、第一に、知的な話題をもとにした親子の対話の機会を増やしていくことです。その前提として、幼少期からの親子の対話の習慣を作っておく必要があります。

 第二には、子供が自分で何かを作りそれを発表するという創造的な発表の機会を作ることです。ロボット・プログラミングも、与えられた手順に従ってレゴブロックを組み立てるようなやり方ではなく(そういう基本を学ぶ時期はあるとしても)、自分で工夫して作るという要素が最も大事です。自分らしいもの、ほかの人とは違うものを作成し発表しようとすれば、必ずそこに知的な勉強が必要になってくるからです。

 創造のための知的な勉強の中心になるのは、難しい文章をばりばりと読む力、自分らしい考えをばりばりと書く力です。

 これまでの勉強は、与えられた課題に従順に従い、人間関係よりも勉強を優先し、受験する科目に特化した学力をつけ、個性などは不要という考え方で行われてきました。これからは、その正反対の、自律力、人間関係力、全教科のバランス、個性の強化という要素が必要になってきます。そして、その前提として使える国語力、作文力が必要になってくるのです。

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