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教育から全育へ  2015年7月18日  No.2383
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 教育とは、教え育てることです。何を教えるかというと、既に答えのあるものを、先に生まれた先生が、後から生まれた生徒に、主に知識として教えることです。それによって子供は育つと考えたのです。だから、教える場も、学校や教室という空間に限定されたものでした。また、教える年齢は、学童期と呼ばれる一定の期間でした。

 しかし、それは、どちらかと言えば西洋的な学校教育の考え方です。
 日本では、子育ては、そのような狭い概念ではなく、子供の全人格的な成長として考えられていました。したがって、教える人は先生だけではなく、家庭の父母や祖父母、更には地域の大人や年長者でした。また、教える内容は知識というよりも、知識も含めた文化全体でした。教える場も、教室のような場所に限られたものではなく、子供の生活空間全体が教室のようなものでした。更に、子育ては乳幼児期から始まるものと考えられていました。

 だから、西洋的な意味合いの教育に対して、子供の全人間的な教育を全育と呼んでもよいと思います。
 その全育が、これからネットワーク技術の進歩によって復活していくと思います。

 しかし、ネットワークで共有できるのは情報化されたものだけです。
 テクノロジーの発達は、文字の情報だけでなく、音声や動画も情報化できるようにしました。だから、バーチャルの世界は限りなくリアルの世界に近づいているように見えます。

 しかし、リアルの世界の本質は、情報化できないところにあります。それが、身体や感情や場所や時間です。
 身体と感情と場所と時間は、その個人の経験と分かちがたく結びついています。ある場所に何時間いてどんなことをしてどんなことを感じたかということは、ビット化された情報に還元できない個性的なものなのです。

 ここに未来の教育、全育の鍵があります。
 つまり、ネットワークを活用しつつ、リアルの世界とつながる教育です。
 ネットワークの活用だけでは、個人は単なる客体として対象化された生徒という存在にとどまります。今のICT教育の前提としているものは、この個別化された個人なのです。
 しかし、リアルな世界だけでは、個人は全体的な主体性を回復するとしても、その中で焦点を絞った価値ある教育はできません。リアルな世界の密度の薄さを補えるものが、ネットワークの活用なのです。

 言葉の森の寺子屋オンエアと夏合宿も、以上のような位置づけでこれから発展させていきたいと思っています。

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