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勉強の習慣をつけるには——暗唱の続け方(その4)  2009年3月9日  No.413
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 昔の日本には、暗唱の文化がありました。ところが、戦後その暗唱の文化は中断してしまいました。
 今のおじいさんやおばあさんの世代までの暗唱の文化が、お父さんやお母さんの世代でいったん途絶え、そのあとの子供たちには暗唱の文化が伝わっていません。かすかに残っているのは、英語の勉強で英文を暗唱するような勉強法が行われているところです。
 日本語の暗唱の文化の伝統が中断したために、親も、子供に対してどうして暗唱するのかということを説得力を持って言えないというのが今の状況です。
 一つの方法は、お父さんやお母さんも、何かの文章を選んで10分間の暗唱をしてみるということです。
 貝原益軒が述べているように、たとえ年をとってからでも毎日百字百回の暗唱していると効果が感じられます。保護者が自分の好きな文章を毎日10分間暗唱するということを続けていけば、子供に暗唱の自習をさせるときにも説得力が出てきます。
 ただし、親が、自分も暗唱をしていると子供に言うことは避けたほうがいいようです。作文の勉強でも、親と子供が一緒に始めると、親の方は忙しくなって途中で休んでしまうことがあります。すると、子供に対しても継続させにくくなるのです。保護者の暗唱は、子供には言わずに自分で納得するためにやっておくといいと思います。

 長文の暗唱が楽にできるようになると、同じような要領で中学生になってから英語のリーダーを1ページずつ暗唱していくことができます。英語の勉強の基本は文章を丸ごと覚えてしまうことですから、この日本語の暗唱と同じように英語の暗唱ができれば、中学生になってからの英語も安心です。
 英語は暗唱の効果がわかりやすい教科ですが、暗唱による勉強は、すべての教科にあてはまります。本多静六は、今で言う大学1年生のとき、数学が苦手で落第しましたが、その後、その苦手な数学を解法ごとすべて覚える方法で学年トップになり、数学の先生から、「おまえは数学の天才だからもう授業に出なくていい」と言われるほどになりました。
 丸暗記というのは、内容を理解せずに表面だけ覚えてしまうことですが、丸暗唱で丸ごと飲み込むように覚えてしまうと、その内容がそのまま理解できるようになるのです。
 長文の暗唱を続けていると、すぐにではありませんが、だんだんと暗唱した言葉の言い回しが作文に出てくるようになります。
 保護者が作文を読んだときに、「いつも暗唱しているから、作文が上手になったね」と言えば、子供は暗唱の効果を実感します。勉強したことの効果が出ているとわかれば、勉強は続けやすくなります。
 言葉の森でも、今後、暗唱の成果を作文の中に出せるような練習を取り入れ、毎日の暗唱の自習を続けやすくなるようにしていきたいと思っています。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

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