国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

これまでの全記事
勉強の意欲とは何か  2010年5月4日  No.891
ホームページの記事は→891



 人間の欲求は、いくつかの段階に分かれます。

 まず第一は、物理的、生理的な欲求です。動物の場合は主に食べ物ですが、人間の場合はお金や物などの賞と言ってよいでしょう。

 第二は、安全の欲求です。これは、人間の社会では罰を避ける欲求ということになるでしょう。

 第三は、所属の欲求です。子供は最初、父親や母親という家族に所属する欲求を中心としていますが、やがて同年代の友人のグループに所属する欲求を持つようになっていきます。

 第四は、承認の欲求で、これは競争に勝ち仲間から認められる欲求と言ってもよいでしょう。

 そして、第五は、向上の欲求で、自分自身を成長させることに喜びを見出す欲求です。


 小学校3、4年生までは、子供は親に所属しています。ですから、基本的には親の言うことをよく聞きます。ところが、小学校5年生ごろから、子供は同年代の友人のグループに所属するようになります。

 また、小学校5年生から中学2年生ごろは、仲間内の承認の欲求として競争意識が芽生えてきます。ここで、親から自立するための反抗期などが現れてきます。

 やがて、中学3年生ごろになると、向上の欲求が育つようになります。他人との競争は利用はするが、それ自体を目的とはしないという見方をするようになってきます。


 ここで大事なことは、それぞれの段階を適度に経過していくことです。

 例えば、子供が親に所属する小学校1、2年生の時期は、子供は親の言うことを聞くことに喜びを感じています。しかし、この時期に、親が過度に子供を従わせようとすると、子供は大きくなってから、親に反発するようになります。

 また、子供が友人に所属する欲求を持つ小学校5年生以降の時期は、子供の生活は友達によって大きく左右されます。ルールを逸脱する友達に所属すれば、ルールを破ることが格好いいと思うようになります。孟母三遷は、この時期のことを言っているのでしょう。

 承認のための競争の欲求が中心になる時期は、ちょうど小学校5年生から中学2年生の受験期に相当します。健全な競争は、子供の成長を促しますが、競争意欲を刺激しすぎると、競争を通してしか自分や他人を見ることができないようになります。

 順調に実力をつけていった子供は、やがて中学3年生から向上の欲求を持つようになります。このころになると、勉強も、自分自身が成長するからうれしいという感覚を持つようになってきます。


 子供の教育に実際に携わっていない人は、子供というものは、競争や報酬や強制で簡単に動くものだと考えがちです。しかし、子供も含めて人間は、それぞれの年齢に応じた欲求にしたがって初めて意欲的に動くものなのです。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

 コメント欄
コメントフォーム

勉強の意欲とは何か 森川林 20100504 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」