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　　　機械の必要さ　　　ＡＺＵＫＩ

　思いがけぬ指摘でふだんの生活がいかにムダな物で占められているかを思い知らされるのである。少なくとも私は良寛やそういう生き方をした昔の日本人の生と自分の現在とを比べることによって、初めて自分の置かれている立場を知る事ができたのであった。その結果私はクルマの所有と維持を止め、テレビを見ず、クーラーのない、むろん携帯だのワープロだのと無縁な、物質文明社会のなかであたうかぎりその恩恵を拒否するひねくれ者の暮らしを営むに至ったが、それで満足しているのである。
　生活をするのに必要と言われるものを、主に生活必需品とよぶ。この生活必需品を数えると、きりがない。しかし、それらは本当に必要なものなのだろうか？人間が一日生きる為に必要な水の量は、三リットルだという。そして人間が生きるためには塩が必要だ。『敵に塩を送る』という諺にもあるように、塩が無くては死んでしまう。このような観点から見ると、人間に必要なものは、大してない。しかし、便利だといって機械を手放せないのも事実だ。
　まず、人間には機械は必要と考えよう。（複数の意見一）機械は便利だ。コンピューターは驚くべき速さで進歩していったり、携帯電話がどんどん軽くなったのも、人がその機械を必要としているからだ。必要としなければ、こんなにも早く進歩する事はなかったであろう。しかし、それによって問題も出てきた。歩きながらメールしたり、電話したりする若者、電車の中で大声で話す人、チェーンメールなどの詐欺なども、携帯電話の発達によって出てきてしまったのだ。
　次に、機械は不要と考えよう。（複数の意見二）江戸時代の日本の生活習慣は、日本人にあっていた。日が昇ったら起き、沈んだら寝る。しかしこれでは季節によって一日の長さがちがう。だが、昔の人は時間感覚がおおらかだったので、気にはしていなかったようだ。時代がすすんで正確な時計が発明されると、人は時間に追われる様になった。これではストレスもたまってしまう。私も10時ごろに宿題を思い出すと、よく時間を恨みますもの（笑。（ユーモア表現）（体験実例）やはり機械は不要なのであろうか？
　確かに、機械があるのもないのも、それなりの利点がある。しかし、「人はその制服のとおりの人間になる」 という名言にあるとおり、それを決めるのは、幼い時にどれほど機械に親しんだかによることだ。（総合化の主題）（名言の引用）テレビを見ていれば機械は必要なものだし、自然の中にいれば、自然に機械とは相性が悪くなっていくだろう。

　　　講評　　　jun

　要約の後の前置きがうまいです。機械の必要性について二つの意見を挙げることができました。一つ目の意見に反対意見が入っていますが、これは入れない方が二つの意見の対比がはっきりします。
　結びの総合化はもう一息。機械を使うかどうかということはあくまでも方法でしかありません。大事なのは方法ではなく、自分の生活を充実させるという目的だなどとまとめられそうです。