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　　　　　　　父が父でなくなっている　　　ぐみ

　父が父でなくなっている。父が父の役割を果たしていない。家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えるという父の役割が消えかけている。その結果、家族はバラバラになっていわゆる「ホテル家族」となり、善悪の感覚のない人間が成長し、全体的視点のない利己的な人間や無気力な人間が増えている。父としての役割は、立派な父でないと果たすことができない。立派でない父が家族を統合しようとし、理念を掲げても、家族から無視されるだけである。立派な父が必要とされているのに、しかしその立派な父が育ちにくいのが現代社会である。
　昔気質の頑固で厳しい父親は良い。厳しい父親に育てられた子供は、小さい頃から父という壁にぶつかり、跳ね飛ばされているので、いざ一人で社会という壁に立ち向かったときも少し跳ね飛ばされたくらいではへこたれない。
　一方、物分りの良い友達のような父親にも良さがある。何でも気軽に話すことができ、気軽に相談に乗ってもらえるような父親、子供と同じ目の高さで話をしてくれる父親は子供にとっては理想の父親かもしれない。
　確かに頑固な父親にも物分りの良い父親にもそれぞれの良さがある。しかし一番大切なことは『他人から尊重されるためには、まず自分で自分を尊重できなければならない』という名言もあるように父親が自分自身に自身を持っている事である。

　　　講評　　　isimi

　忙しい生活のようですが、読書をたくさんしていますね。たしか、以前は「動物もの」が好きだと言っていたように記憶していますが、さすが、中学二年生、好みも大分変わってきたようです。
　感想文は、今回もヒントの池を活用して書いてくれました。えらい！　ただ、折角書くのであれば、もう少し自分の意見を自分の言葉で表してみましょう。個性を出すには、表現方法のほかに体験実例も効果的です。グミチャンのお父さんは厳格？　それとも友達タイプ？　将来、結婚して子供ができたら、旦那さんにはどちらのタイプになって欲しいかな？　そういうことも想像して書いてみると、さらに面白い味わい深い感想文になりますよ。