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ICT教育を、人間の主体性を育てる教育にするには  2014年10月24日  No.2248
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 今のICT教育は、子供が楽しく取り組めるように動画や音声のリッチコンテンツを多用し、それぞれの子供の進度に応じたきめこまかい教材提示や評価ができるように教材を細分化し、スモールステップ方式で単元化するという方向に進んでいます。

 この方向は、これまでの、黒板による一斉授業よりもはるかに効率のよいものです。
 しかし、そのICT教育の背景にある教育観に、ブロイラーを育てるような発想を感じることがあります。
 その教育観をひとことで言えば、教育とは与えるべき餌をいかに効率よく食べさせてその子を成長させるかにある、というようなことになると思います。

 効率よく餌を食べさせるというのは、教育の初期には確かに大事です。漢字を覚えたり、計算の仕方を覚えたり、理科や社会の基本的な知識を覚えたりするのは、教育の出発点であり、だれでも身につけなければならない土台です。

 しかし、人間の成長にとって大事なのは、その出発点のあとに、自分の足でどう歩いていくかという時期の教育です。

 ICT教育の多くは、低学年の子供や勉強の苦手な子供が、楽しく効率よく勉強できるようにするという点では、さまざまな工夫がなされています。
 しかし、その先の学年の教育や勉強の得意な子供の教育に関しては、かえってICTのサービスが邪魔になっている面もあるのです。

 勉強の得意な子は、紙の上に書かれている文字情報を自分で読み取り理解するのが、一般に最も能率のよい勉強法です。動画や音声が流れたり、ゲームの要素があったりする教材は、かえってわずらわしいものなのです。

 勉強の本質は、人に教わることではありません。授業を聞いている時間は、まだ何も身についていない時間です。授業のあと、ひとりで机に向い、復習をしたり予習をしたり自分で考えたりする時間が本当の勉強の時間です。
 しかし、今のICT教育は、そういうひとりで考える時間を生かすという発想があまりありません。

 言葉の森では、現在、ネットとパソコンを利用した独自のICT教育を構想しています。
 教育の最も基本的なツールは、モニター画面やキーボードやマウスではなく、本とノートと鉛筆です。その本とノートと鉛筆を活用するために、ネットとパソコンがあるという発想をしていく必要があると思います。

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