対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

これまでの全記事
上田渉さんの「勉強革命」読んで――物語文と説明文の読解  2015年8月28日  No.2407
ホームページの記事は→2407


 上田渉さんの「勉強革命」の話の続きです。上田さんは、物語文の読み取り方は、「登場人物に感情移入して、なりきる」という読み方をすすめています。

 物語文は、その物語の世界に没頭して読むと、問題を解くというよりも、自分の経験したことを思い出して解くという感覚になります。これが、物語文を早く正しく読み取るコツです。
 こういうコツを身につけるためには、小さいころから本を楽しく読む習慣をつけておくことです。だから、大人から見ればくだらないように思える本でも、本人が楽しく読んでいるのであれば、その時間を確保してあげる必要があるのです。

 物語文は、没頭して読むことが読み方のコツですが、説明文の場合は、構成を考えて読むことが大事になります。
 この構成を考えて読むことと、構成を意識して書くことの間には共通点があります。

 論説文の解き方については、上田さんは、フレームワークにあてはめて読むということを述べています。そこで述べられているフレームワークは、帰納法、演繹法、弁証法です。

 実は、言葉の森の作文の勉強がこのフレームワークです。
 例えば、帰納法は、複数の実例から一般化した主題でまとめるという小6相当の課題です。学年こそ小6相当となっていますが、この構成は、大学入試でも、社会に出てからも充分に使える枠組みです。

 演繹法は、ある意見からその理由を複数挙げ、その理由の裏付けとなる実例を書くという中1相当の意見文の書き方です。この演繹法は、取り上げる意見の方向性によって、展開の部分が変化します。中1相当は複数の理由ですが、中3と高1は方法、高2は原因、高3は対策となります。

 この、理由、方法、原因、対策という構成の仕方を身に付ければ、どのようなテーマの小論文も、理路整然と書くことができます。言葉の森の受験作文小論文のページには、現在2000件以上の解説が載っていますが、このほとんどがすべて小6から高3までに習う構成の仕方で書かれています。

 しかし、もちろんフレームワークだけがあっても、上手な小論文が書けるわけではありません。大事なのは、フレームワークに入れる中身で、その中身は問題集読書のような難読を続けることで身につきます。

 さて、帰納法、演繹法に続く第三のフレームワークは弁証法です。

言葉の森の作文では、これは中2の構成の仕方で、複数の意見から総合化した意見を生み出すという書き方です。
 大事なポイントは、単なる折衷案の意見にならないようにすることですが、これがかなり難しいのです。うまく決まれば素晴らしい作文が仕上がりますが、うまく決まらずに折衷案でまとめてしまうと、竜頭蛇尾の印象になってしまいます。難しいだけに、考えがいのある書き方です。

 作文の書き方で構成を意識していると、文章を読み取ったり、複雑なテーマをまとめたりするときも、構成的に考えるようになります。
 だから、言葉の森で勉強をしていると、読解力、作文力だけでなく、会議の司会などする力もついてくるのです。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 作文教育(134) 

 コメント欄

森川林 20150907  
 読書好きな子というのは、本を読んでいるときは、名前を呼ばれても気が付きません。
 こういう没頭する読み方が、物語文の読解の基礎です。

 だから、ためになる本のようなものは、あまり読む力がつきません。
 私が、これはつまらないだろうなあと思うのは、「小学○年生の読み物」などという題名の本です(笑)。何か、薬で飲むように読んでしまうのではないかと思います。
コメントフォーム

上田渉さんの「勉強革命」読んで――物語文と説明文の読解 森川林 20150828 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」