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低学年のうちから自分で勉強する習慣を――そして厳父慈母の実践  2015年10月1日  No.2429
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 小学1、2年生のころは、勉強する内容も簡単で、子供が親や先生の言うことをよく聞く時期ですから、ついいろいろなことを教えたくなります。
 しかし、ここで、親のペースで勉強させると、子供はそのときは楽しくやっているように見えますが、内心は親にコントロールされている自分に肯定的な感情を持てなくなります。

 人間は誰でも自分の意思で自由に行動したいと思っています。人に言われたとおりにやることが好きな人はいません。しかし、「教える―教えられる」という関係ができあがると、言われたとおりにやることが正しいことなのだと自分に言い聞かせてやり続けるようになります。
 こういうやり方が限界に来るのが、小学4年生ごろからです。このころになると自立心が育ってくるので、親に言われたとおりにやることに反発するようになるのです。

 本当は、小学5年生以降の勉強が難しくなる時期に、親と協力して勉強することが大事なのですが、低学年のときに親の言うとおりにやってきた子は、高学年になってから親とうまく協力することができなくなります。

 すると、親は子供の勉強を見ることができなくなり、その結果、学習塾などに勉強を任せるようになり、ますます子供の勉強に関与できなくなり、ただ点数の上でしか子供の勉強の実態がわからないという状態になるのです。

 こうならないためには、低学年のころから、子供が自主的に勉強する環境を作っておくことです。そのためには、親が手取り足取り勉強の内容を指示するのではなく、あらかじめやるべきことを、子供が無理なくできる範囲に絞って決めておき、子供が毎日の習慣としてその勉強をするのを、横で静かに見守るという接し方が必要になります。
 低学年のころは、親が無関心でいると意欲が低下するので、見守ることは大事なのですが、できるだけ口出しをしないようにする必要があります。
 そして、注意はできるだけ少なくし、よくできたときに褒めるという接し方をすることによって、子供は自主的に勉強する姿勢を身につけていきます。
 褒めるというのは、必ずしも直接褒めることに限りません。例えば、本をよく読んでいたら、「○○ちゃんは、本を読むの好きなんだね」というその行動を認めてあげるだけでいいのです。

 しかし、自主的な勉強と褒め言葉だけでは、時に子供がさぼったり、ずるをしたりする場面も出てきます。こういうことができるのも、人間に自主性があるからなのですが、それをそのままにしておくと、あとで修正するのが難しくなります。

 こういう場面で登場するのは、やはり父親です。
 特に男の子は、知っていて悪いことをするということがよくあります。それは、ある意味で、自分がどこまでやると叱られるか試している面もあるのです。

 母親は、そういうときの注意は苦手です。母親の注意は、愚痴のような小言になることが多く、子供を叱るというパワーに欠けることが多いのです。
 叱り方の原則は、厳しく短く一度だけです。何度も同じことを言うような叱り方では、叱られることに免疫ができてしまい、ますます何度も言わないと言うことを聞かないというようになります。

 母親の役割の中心は、叱ることではなく、優しく認めてあげることです。
 その分、父親が厳しい叱り方の役割を分担する必要があります。しかし、それは、父親が憎まれ役を買うというのではありません。厳しく一度だけ叱って、あとを引かない父を、子供は尊敬するからです。

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森川林 20151001  
 母親は、手芸のように細かいことをきちんとやるのが得意です。
 しかし、それを子供の教育でそのままやってしまうと、子供の自主性が育たなくなることがあります。
 子育てで大事なことは、親がきちんとやることではなく、子供が自分でやるように仕向けることです。
 そうすると、きちんとやれないことも出てきます。しかし、そのきちんとやれないことも含めて子供が自分の力でやることが大事なのです。

 一方、父親は一般的に、手芸や料理のように細かいことが苦手です。
 晩酌のつまみなども、ひとりのときは、冷蔵庫にあるニンジンに味噌をつけてそのままボリボリかじったりします。(おまえだけだろ)
 しかし、そのきちんとしない分、肝心なときに子供の前に登場することができるのです。
 ウルトラマンみたいです。

(写真は、9月30日の朝の太陽)
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