言葉の森の作文通信がなぜよいか
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優しい母が減って怖い母が増えたのはなぜか  2010年7月31日  No.979
 URLは、https://www.mori7.com/index.php?e=979      




 私の母は、優しい人でした。母に怒られたり叱られたりしたという記憶がありません。

 小学生のとき、学校をちょっとさぼりたいときがあり、「今日は頭が痛い気がする」と言うと、すぐに熱を測ってくれて、ほとんど平熱なのに、「うーん、ちょっと熱があるから風邪気味かもしれないね。じゃあ、学校休もうか」「うん」ということも何度かありました。

 海辺の街で、言葉づかいの悪い友達が多かったので、たまに家の中で、「ばか」とか「てめえ」などと言うと、悲しそうな顔をして、「そういう言葉はつかうんじゃないよ」と優しく言いました。学校の成績がいいと普通に喜んでくれましたが、成績が悪いとか何が悪いとかいうことで注意されたことがありませんでした。

 かくれんぼをして地べたに寝ころんで服を泥だらけにして帰っても、何も言わずに洗濯をしてくれました。山で遊びまわり、服にアメリカセンダングサの種をいっぱいつけて帰ってきても、静かにその取りにくい種を取ってくれました。

 小学校のころ、夏休みの最後の日の夜になって、工作の宿題を作っていないことに気づき、そのことを母に言うと、「じゃあ、お母さんが作っといてあげる。いいから、寝なさい」と言ってくれました。さすがに夜中に気になってそっと隣りの部屋をのぞくと、母がボール紙と糸巻きでおもちゃのエレベータを作っていました。

 そういう子供時代をすごしたので、母親というのは優しいものだと思っていました。

 ところが、言葉の森で、子供たちに作文を書かせるとき、子供と話していて、「お母さん、優しいでしょ」と聞くと、10人中10人が、「ううん。怖い」と言います(笑)。

 なぜ母親が怖くなったかというと、日本の社会に、学歴主義の広がりという変化があったからだと思います。

 私が子供のころ、学歴というものはそれほど重視されていませんでした。みんな、生活に追われてそれどころではなかったのだと思います。

 しかし、その後、学歴で社会の入口が決まる傾向が出てくると、古い体質の組織では、入口に応じて出口も決まるような傾向になり、学歴で人生設計が大きく左右されるようになりました。

 だから、そういう社会で子供のことを考えれば、親が学歴に力を入れるのは当然です。現代の母親は、子供のためを思って怖い母親になっているのです。

 しかし、子供時代に叱られながら厳しく育つと、頭脳があまり成長しません。

 大学入試は、小中のころの成績よりも高校時代の成績と関連が高く、高校時代の成績は本人の意欲と結びついています。その意欲のもとになるのは、幸福な子供時代の蓄積です。

 また、人生に対する基本的な幸福感や、社会に対する根本的な信頼感や愛情も、ひとえに母親の優しさによっていると思います。

 母親がたまに怖いのはやむをえない面もありますが、できれば怖い役は父親に任せて、母親はできるだけ優しい存在であってほしいと思います。そして、その方が、長い目で見て子供のことを考えてあげたことになるのです。
 

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