創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

これまでの全記事
要約の仕方  2006年11月2日  No.109
ホームページの記事は→109
 文章の要約ができるのは、小学5年生ごろからです。小学4年生までは、物事を構成的に考える力がまだ十分に育っていないので、要約の練習をするには無理があります。しかし、小学5・6年生ごろの要約は、かなり長くなってしまうのが普通です。中学生になると、次第に楽に要約できるようになってきます。
 以下は、中学生や高校生の人が要約する場合の方法です。
 まず、対象となる文章を(1)すばやく最後まで読みながら、(2)線を引いていきます。
 (1)で大事なことは、じっくり読むのではなく、最後まで読むということです。文章は、全体像がわかって初めて細部がわかります。細部をきちんと読んで全体がわかるのではありません。これが文章を読みなれていない人の陥りがちな点ですからよく気をつけてください。特に、大学の入試問題のような種類の文章では、最後の数行を読んで初めて全体がわかるという仕組みになっているものがかなりあります。逆に最初の数行はだれが読んでもちんぷんかんぷんのようなことが書いてある場合があります。読みなれていない人は、この最初の数行でつまずいてしまうことが多いのです。
 (2)の線を引く箇所は、「大事そうなところ」「わかったところ」「おもしろいところ」です。しかし、ここで大事なことは、「大事そうなところ」を中心に線を引くのではなく、むしろ「わかったところ」「おもしろいところ」を中心に線を引くということです。というのは、最初に読んでいるときは、何が大事なのかよくわからないからです。文章の内容とはあまり関係がないかもしれないが、自分なりによくわかったところ、又は、自分なりにおもしろいと感じたところを中心に線を引いていきます。
 次に、線を引いたところだけを数回読み直します。線を引いたところというのは、文章全体の数パーセントですから、ざっと眺める感じですぐに数回読み直しできます。すると、不思議なことに、文章の全体像が頭に入ってくるのです。線を引いたのは、「わかったところ」「おもしろいところ」が中心です。しかし、その線を引いた箇所だけをとびとびに読んでいると、線を引いていない箇所も含めて全体のイメージがつかめてくるのです。
 ここで、今度は、本当に「大事なところ」に改めて線を引き直します。ここで要約の字数が問題になってきます。1文を約50字と計算すると、150字の要約では3文、200字の要約では4文です。150字に要約する問題でしたら、線を引きなおす「大事なところ」は3ヶ所ぐらいです。
 最後に、その「大事なところ」をつなげて文章にします。
 要約の問題は、実力がついてくると、すばやく書いてもじっくり書いても、点数にあまり差が出ません。要約を書くのに時間をかけるのはもったいないので、すばやく要約して、肝心の作文・小論文の方にじっくり時間をかけましょう。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

 コメント欄
コメントフォーム

要約の仕方 森川林 20061102 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」