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自習は、「自立する勉強」と発想を変える(その2)(生徒父母向け記事)  2011年3月6日  No.1188
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 昭和初期までの子供たちは、家で農作業を手伝ったり、家事を手伝ったりして成長しました。これらは、目に見えるノルマも報酬もない単調な仕事です。朝起きたら、当然のように、まきを割ったり、水を汲んだり、玄関を掃除したりしてから学校に行ったのです。こういう毎日の単調な仕事を続けていくことで、成人になってからも自立して持続するという根性が身についていきました。

 しかし、今の時代に、このように毎日同じような家事手伝いを子供にさせることができるでしょうか。家事が合理化された現代では、子供に手伝いをさせるという必然性がありません。昔は、子供が手伝わなければやっていけないほど家事が多忙だったのです。今は、洗濯機も掃除機も冷蔵庫もあるので、子供が何かを手伝わなければ家庭生活が円滑に運営できないような状態はありません。

 今の子供たちが、ひ弱なのは、このように毎日何かを続けるという習慣が家庭になくなったからです。毎日の暗唱や読書の自習は、この根性を育てるための機会だと考えて取り組んでいくことです。毎日の自習をするということであれば、子供も納得できる合理的な根拠があります。気分が乗らないときも、遊びたいことがあるときも、何しろ毎日自習を続けるということは守らせることができます。少なくとも、毎日玄関の掃除をするというようなことよりもずっと守らせやすいはずです。

 そして、このように毎日しなければならないことがあると、子供の生活全体がめりはりのあるものになります。日曜日などは、大人でも朝起きてから特にすることもなくぼんやり過ごしてしまうことがあります。ところが、子供の場合、朝ご飯の前に暗唱ということを決めておけば、その暗唱をしたあとにすぐきちんとした生活を送る姿勢ができます。しかし、ここで大事なのは、自習ができたら褒美をあげるというようなやり方にはしないということです。自習がちゃんとできたら褒美をもらえるということになると、子供の自立心は育ちません。褒美があってもなくても、決めたことを黙々とやるということが自立心です。

 ただし、子供の努力を認めることは大事ですから、親がときどき、「よくがんばっているね」「本をよく読んでいるね」「今日もちゃんとできてえらいね」などと言ってあげることです。このときに、父母で協力して、子供の努力を認めるということが必要です。一方の親が子供の努力を認めているのに、他方の親が子供の努力に関心がないとなると、勉強は続けにくくなります。また、一方の親が努力を認めているのに、他方の親が子供の欠点を指摘してばかりいると、やはり子供は勉強しにくくなります。子供をよりよく成長させるということは、どの親にとっても共通の目標になるはずですから、勉強のさせ方で多少の不一致点があったとしても、「いったん決めたことは続けさせる。そのためには、できていたら褒める、できていなければ叱るということを気長に続ける」ということだけは一致させておきましょう。

 国語の力は、この暗唱や読書や対話のように、日本語を豊かに吸収する生活がなければ決して身につきません。国語力をつけながら、自立心も併せて育てる学習として、親の働きかけが必要な自習をむしろ肯定的にとらえて毎日の勉強に取り組んでいってください。

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