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これからの社会に必要な作文力、国語力(長谷川慶太郎さんの本から)  2012年4月29日  No.1532
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 「日本と世界はこう激変する」(李白社)という本の中で、長谷川慶太郎さんが次のように書いています。

====引用ここから。====

 (企業は大学新卒者を採用する際に、潜在能力の高い人を採用するという話の続きで)

 その場合に潜在能力の高い人材を採用するには、新卒者のどのような能力をチェックすればいいのか。この点について日本企業の中でもとりわけ人材不足が叫ばれている金融機関を中心に注目しているのが国語能力です。

 具体的には、きちんとした文章が書けるかどうかを入社試験で厳しくチェックします。そこに注目する最大の理由は、日本においては小中高を通じて国語に対する教育が不十分だからです。つまり、国語能力が不足しているから大学生の能力も下がっているという判断です。

 入社を希望する大学生に作文の試験を行うと、立派な作文を書ける受験者はわずかで、ほとんどがいったい何が書かれているのかさっぱり分からないような作文を書く受験者ばかりだそうです。作文がろくに書けないようでは、いくら他の試験の成績が良くても不合格になります。逆にいえば、立派な作文が書ければどんな企業の入社試験にも受かるということでしょう。



====引用ここまで。====

 知識を覚えることが中心の教科の成績は、あまりあてになりません。物知りであっても判断力のない人はたくさんいます。

 作文力は、じっくり見れば、その人の潜在能力がはっきり表れます。だから、小手先の対策で作文の力を上げることはできません。それまでに読んだ本、考えたこと、書いた経験の総合力が作文という形で表れますから、文章はその人自身でもあるのです。

 今の社会の風潮として、読書や作文などを気長にやるよりも、目の前にあるテストの成績をまず上げることだというものがあります。これが特にはっきり表れるのが、中学生のころの勉強です。定期的にあるテストのために塾に通い、少しでも点数を上げようとすると、読書や作文などは後回しになります。そして、後回しにした方が実際にテストの点数にはプラスになるのです。

 ところが、そういう目先の点数中心の勉強をしている子は、本当の実力をどんどん低下させていきます。一方、読書の時間を確保しながら勉強している子は、その読書が特に成績のプラスになるわけではありませんが、確実に実力をつけていきます。そして、何年かたつと、読書の時間を確保していた子の方が理解力も思考力もついているので、いつの間にか成績も逆転してしまうのです。

 中学生のころの子供のものの見方は近視眼的です。塾の先生は立場上、近視眼的な成績重視の勉強をさせざるを得ません。しかし、親は、将来の子供にとって何が重要なのかということを考えて判断していく必要があります。何でも塾にお任せで目先の成績だけを見ているようではいけないのです。

 その点で感心するのは、言葉の森で受講している生徒の保護者です。時々保護者と話をする機会がありますが、自分なりの考えを持っている人がとても多いのです。自分で判断することには不安ももちろんありますし、試行錯誤もあるでしょう。しかし、これからの世の中は、この自分で判断するということがますます重要になってくると思います。

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