国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

これまでの全記事
満ち潮の時代、引き潮の時代――ブルーオーシャンはどこにでもある  2015年12月25日  No.2506
ホームページの記事は→2506


 満ち潮の時代というのは、人口が増えて、所得が増えて、シェアが広がり、売上が上がり、規模が大きくなり、部下も増えていくという経済成長の時代です。
 それに対して、引き潮の時代というのは、人口が減って、売上も減って、所得も減り、規模も縮小していくという今のようなデフレの時代です。

 満ち潮の時代では、大きい船に乗ることが成功の条件でした。
 だから、勉強にしても、スポーツにしても、音楽にしても、できるだけメジャーなものをやっていた方が潰しが効きました。
 大きい船に乗っていれば、船自体が満ち潮で上昇していくので、小さい船に乗っているよりも見返りは大きかったのです。

 今の大人の多くは、こういう満ち潮の時代を生きてきました。だから、その時代の価値観が根強く残っています。
 そのために、つい多くの人がやっているのと同じものをやる方がプラスになると考えてしまうのです。

 ところが、現代は既に引き潮の時代になっています。
 引き潮の時代では、何もかもが縮小していきますから、大きい船に乗っていると、今度は逆に減っていくものを奪い合う競争が小さい船よりも激しくなります。
 満ち潮のときに有利に働いていたものが、引き潮のときには反対に働くようになるのです。

 しかし、こういう引き潮の時代の対処の仕方を経験している大人はほとんどいませんから、引き潮の時代でもまだ、より大きなより安全な船に乗ることを志向してしまうのです。

 今の日本の社会を見てみると、さまざまな分野で、何々不況というものが生まれています。
 人口が減っていて、必要なものがほぼ満たされている社会では、物は年々売れなくなっていくのが当然です。

 そして、たまに市場の広がる分野が見つかると、参入者がどっと入ってきます。そして、そこもすぐにレッドオーシャンになります。
 もう仕事を引退したような年配者だけは、とりあえずこれまでの蓄積があるので、危機感をそれほど感じてはいないというだけです。

 では、引き潮の時代には、どういう生き方をしていけばいいのでしょうか。
 そのコツは、メジャーなものから離れて、誰もがあまり見向きもしない小さな個性的な船に乗ることです。
 引き潮の時代には、小さな船だから入れるような小さな入江があちこちにできます。そこでブルーオーシャンを見つけていくのです。

 満ち潮の時代は、誰もが納得するような合理的な答えがある時代でした。だから、みんなが迷わずその道を選ぶことができました。
 引き潮の時代には、誰にも共通するような答えはありません。勘と運と持続力だけが頼りです。
 しかし、だから、逆に面白い時代だとも言えるのです。

 そして、潮の満干(みちひ)があるように、引き潮の時代のあとには、また満ち潮の時代が来ます。
 そのときに来る満ち潮は、今の満ち潮とは違うところに広がります。
 今の引き潮の時代は、次の満ち潮の準備の時代とも言えるのです。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
政治経済社会(63) 

 コメント欄
コメントフォーム

満ち潮の時代、引き潮の時代――ブルーオーシャンはどこにでもある 森川林 20151225 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」