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全教科の理解力をつける暗唱(その2)  2009年3月13日  No.418
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 音読の自習はこれまでできていたが、暗唱の自習になったらできなくなったという話を聞くことがあります。

 これまで毎日音読をしていた子は、その延長で暗唱もできるはずです。しかし、音読の勉強を自分の勉強部屋でやっていたとすると、実際に確実に音読ができていたかどうかはわかりません。

 音読は、保護者のいるところで、例えば茶の間などでやっていくのが望ましいやり方です。なぜかというと、親が音読を聞いていると、子供の読み間違いがわかるからです。また、子供が長文を音読しているときに、その長文の話題をもとに親子の雑談ができるからです。親のいないところで子供がひとりで音読をするという形では、音読の効果はかなり薄くなります。

 暗唱も同じです。子供部屋でひとりで暗唱させるよりも、親のいる前で暗唱させた方がよりよい暗唱ができます。ひとりで暗唱させると、子供はつい覚えようとしてしまいます。すると、暗唱が難しくなります。覚えようとするのではなく、ただ繰り返して読むのだということを親が教えてあげるといいのです。



 暗唱がどのぐらいできるかということは、その子の国語の実力を反映しています。100字の文章をなかなか覚えられない子は、やはり日本語の読解力の基礎ができていません。そういう子供たちも練習を続けていると、必ず前よりも早く暗唱できるなります。これは実際に読む力がついてくるからです。やればできるようになるという点で、暗唱の勉強は、音読の勉強よりも達成感のある勉強になっています。

 暗唱ができるようになる時間は、大体次のような感じになります。

 100字の文章を繰り返し音読をする場合を考えてみます。1回音読しただけですぐに暗唱ができるということはまずありません。これが、50字程度の文章であれば、1回読んだだけでもすぐに暗唱できます。50字と100字は、人間の短期記憶にとっては、質の違う長さなのです。

 しかし、100字の文章でも、15回ぐらい繰り返し音読していると自然に覚えられるようになります。この100字15回の音読は、時間にして5分間ぐらいです。さらに続けて音読し、10分間まで暗唱を続けていくと、全部で30回ぐらい繰り返して音読することになります。このぐらいになると、意識をせずに空で言えるような暗唱になります。ほかのことをしながらでも暗唱できるぐらいにしっかり身についた暗唱になってくるのです。

 100字ずつの暗唱を3日間続けたあと、合計の300字を全部通して暗唱する場合は、次のようになります。最初に300字を通して読んでも、10分間ではなかなか暗唱できるようにはなりません。しかし、2日目には少しずつできるようになり、3日目には大体暗唱できるようになります。

 個人差はありますが、毎日10分の練習で、1日100字の暗唱ができるようになり、1週間で300字の暗唱ができるようになるというのは、無理のない目標です。

 しかし、やらなければできるようにはなりません。やればできるが、やらなければできないということがはっきりしている点で、暗唱の自習は、通常の音読の自習よりも勉強の確実性が増すのです。

(つづく)

(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

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