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未来の社会と教育(その4)  2009年4月11日  No.450
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 中村天風の本で、太平洋戦争が始まった直後、天風が東条首相を訪ね、「今なら間に合う。すぐ戦争をやめなさい」と言ったという話が出ています。話は少し脱線しますが、いい話なので、一部を引用します。
 「あなた方は陸軍の将校で、軍服を着ていられるおかげで、弾丸雨あられと飛び散る中にも行かずにすんでいる。それは、今こうしている間でも、永らえば将来国家の発展に役立つであろう、若い有為な人材が命を散らしているおかげである。この事実にどうお応えになるのか、ぜひ話をお聞きしたい。それができなければ私が申し上げる。もうだいぶ時期遅れだが、それでも今すぐなら戦争から手を引ける。今しかない。もうやめなさい。」(天風が東条首相に言った言葉。「実録中村天風先生人生を語る」森本暢著より)
 日本には、優秀な若者がいて、優秀な戦闘機や戦艦がありました。しかし、肝心の戦略が大きく誤っていたのです。勝利のためには、個々の戦闘や戦術よりも、いかに戦略が大事かということです。しかし、ここで言う勝利は、単に敵国に勝つための勝利ではなく、よりよい世界を作るための勝利と考えておくべきでしょう。

 規模は違いますが、勝利を目的とする点では選抜テストも同じです。テストに勝つためには、過去問を分析するという戦略と、勉強法を工夫するという戦術が大事で、真面目に勉強するという個々の戦闘は受験生ならだれでも大した差はありません。戦闘というのは、一日何時間勉強するかということですから、その時間数が勝敗を決するわけではないのです。昔、四当五落(四時間の睡眠で勉強するなら合格するが五時間では落ちるという意味)という言葉がありましたが、そういう発想自体が視野の狭い戦闘だけを見た発想で、実際に合格した人は、ほとんどが7、8時間の睡眠をしっかり取っています。つまり、勝敗を決するのは戦闘の問題ではないのです。夏休みや日曜日などで学校や塾の勉強時間がないときの大学受験生の時間配分は、睡眠8時間、勉強8時間、その他8時間ぐらいでしょう。1日8時間ぐらいが、最高の勉強時間の幅になると思います。私が高3のときは、夏休み1日5時間を目標に勉強をしていましたが、それでもかなり大変でした。ということは、今考えればかなり甘い勉強をしていたということになります。
 なお、勉強というのは、学校に行ったり予備校に行ったりすることではありません。自分で計画を立てて自主的に行う勉強です。本気で勉強する気のある人は、どこかに通って人に教わってするような勉強は時間がもったいないと感じると思います。教わるのは最低限にとどめて、できるだけ自分で勉強することが大切です。
 しかし、本当に大事なことは、そのテストのための勉強先にあるのです。
(つづく)

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