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AI時代になぜかけ算の九九をやるのか――それは教育の本質が身体化だから  2026年2月15日  No.5442
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https://youtu.be/JOMnEI5vho8

●AI時代に九九を覚える意味

 かけ算の九九を小学2年生ごろにやるときに、「AIで聞けばすぐできるのに、覚える必要はないのではないか」という声が出ることがあります。

 かけ算の九九を覚えるのは、大きい数の掛け算をやるときに便利だからというようなことは大した理由にはなりません。
 本当は、数字の概念を身体化することにあるのです。

●小学生時代の教育の本質は身体化

 小学生時代の教育の本質は身体化で、最も重要なものは言葉の身体化です。
 次に、数字の身体化です。
 さらに物の身体化というものもあります。
 例えば、絵を描いたり、積み木を積んだりすることによって、形と物が自分の体の一部として取り込まれていくのです。

●身体化とは何か

 言葉の身体化とは、言葉が自分の手足のように自由に動かせるようになることです。
 数字の身体化も同じです。
 考えずにできるレベルになるのが身体化ということです。

 確かに身体化をしなくても、感想文をAIに書いてもらったり、複雑な計算をAIにしてもらったりすることができます。
 しかし、それは答えがあらかじめわかっている世界の範囲でAIに任せることができるということです。

●未知の問題に向き合う力

 人間が未知の新しい問題に遭遇したときに必要になるものは、その問題をどう処理するかという創造的な発想で、その創造的な発想はひらめきともいうものです。

 ひらめきはどこから生まれるかというと、身体化された知識から生まれるのです。

●読み書きそろばんの現代的意味

 江戸時代の寺子屋教育の基本は、読み書きそろばんでした。
 これは現代でも通用します。
 読書と文章を書くことと計算をすることは、小学校時代の教育の基本で、この身体化の教育によって子供たちは創造性の土台を作っているのです。

●「書くこと」は作文に限らない

 読み書きそろばんの「書くこと」に関しては、作文ということに限りません。
 ちょっとしたメモでも詩でも俳句でもいいのです。

 書くことによる手と頭が連動していることが大事で、意識的に文字を書こうと思わなくても、考えたことに沿って手が自然に動いて書くというのが「書くこと」の身体化です。

 「書くこと」の身体化は、昔ながらの鉛筆やペンのような筆記用具でなければ身につきません。
 学年が上がれば、パソコンのキーボードで入力したり、スマホの入力で文章を書いたり、音声入力で文章を書いたりすることはできますが、それは子供時代に手書きで文を書いたという蓄積があるからこそできることなのです。

 大人はすでにパソコンで入力しながら考えることもできますが、それはその土台に小学生時代の手書きの蓄積があったからこそです。

●子供時代にこそ身体化を

 だから、子供時代にはまず手書きで書くことを身体化し、考えなくても書けるように、つまり、書くことが自分の手足のように動かせるようになることが大事なのです。

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