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暗唱の意義と方法(漫画)  2009年10月29日  No.669
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子「どうして、暗唱(あんしょう)するの」
母「あーん、しょれはね」
^_^「……」

自分(じぶん)の音読(おんどく)した声(こえ)が耳(みみ)に入ると、

脳(のう)が、「これはのどと耳の両方(りょうほう)から来ているから大事(だいじ)な言葉(ことば)だ」と思う。

だから自分の言っていないことは、右から左に抜(ぬ)けることも多い。
母「勉強(べんきょう)してるの?」

同じ言葉をくりかえしていると、言葉がイメージとなって脳の金庫(きんこ)に保管(ほかん)される。

しかも、イメージは、いくらつめこんでも大丈夫(だいじょうぶ)。
「パクパク」

母「そして、脳(のう)が丈夫(じょうぶ)になるのよ」
子「そうなのう」

江戸時代の寺子屋教育の基本は暗唱

 寺子屋教育の基本は、百字の文章を百回読むことでした。この勉強法によって日本は当時世界一の識字率を達成していました。
(江戸時代の日本の識字率70~80%、同時代のヨーロッパの先進国の識字率20~30%)

ノーベル賞の湯川秀樹も小1から暗唱

 湯川秀樹と3人の兄弟は、それぞれ5、6歳から四書五経の素読をさせられました。そして、全員が学者になりました。
 そのときの勉強法は、論語を漢字のまま意味もわからないまま音読し暗唱するという方法でした。
 (芳樹(兄、冶金学者、東大教授)、茂樹(兄、歴史学者、京大教授)、環樹(弟、中国文学者、京大名誉教授))

暗唱を生かした著名人

 暗唱を自分の実際の勉強に生かした著名人には次のような人がいます。

□貝原益軒(1630-1714)……81歳のときに著した「和俗童子訓」で四書五経を毎日百字百回暗唱するという勉強法を提唱しました。益軒の影響は日本全国々に及び、江戸時代の日本の教育の大きな方向を決定しました。暗唱は子供だけでなく、大人にとっても価値があると述べています。

□塙保己一(1746-1821)……盲目でありながら当時日本全国に散らばっていた600冊以上の学術書を編纂するという偉業を成し遂げました。その伝記は、ヘレン・ケラーにも大きな影響を与えました。18歳のとき般若心経を1000日間暗唱するという誓いを立て、晩年まで折に触れて暗唱をしていました。

□シュリーマン(1822-1890)……独学で十ヶ国語以上をマスターしトロイアの都を発掘しました。そのときの勉強法が、外国語を辞書にも文法書にも頼らず大声で音読し暗唱するという方法でした。生まれつき弱かった記憶力が、この勉強法で改善したと述べています。

□本多静六(1866-1952)……林学博士。暗唱の勉強法で東京農林学校(今の東大農学部)を首席で卒業しミュンヘン大学経済学博士号を取得しました。大学1年生のとき数学で赤点を取りましたが、一念発起し数学も丸ごと暗唱するという方法で学年トップになりました。子供時代、家の仕事を手伝いながら文章を暗唱するという勉強法をしていました。大学には作文の点数がよくて合格できたと述べています。

□野口悠紀雄(1940-)……経済学者。自身の中学高校時代の経験から英語の勉強法として音読暗唱を提唱しています。高校時代、英語は教科書をただ音読するだけで好成績を維持し東大工学部に合格しました。しかし、そのように単純な方法なのに実践する人が少ないと述べています。

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