国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

これまでの全記事
小3の感想文指導のポイント  2009年12月6日  No.703
ホームページの記事は→703


 小3の保護者の方から、感想文の添削についてご質問をいただきました。

 その内容は、「中心を決めることと、似た話と、結びの感想が一貫していないのに、いいところを褒めるだけの指導でいいのか」というものでした。

 こういう疑問は、多くの方が持っていると思いますが、実は「それでいいのです」というのが答えです。

 その理由は二つあります。

 第一は、小3、小4では、感想文の本格的な指導はまだ無理だからです。

 感想文の指導が意味を持つのは、小5からです。このころになると、全体の構成や主題を考える力がついてくるので、先生が説明したことを自分なりに理解して書いていくことができます。しかし、小4までは、先生の説明を消化するだけの年齢になっていないので、先生に言われたとおりに書くぐらいまでしかできません。

 では、なぜ小3や小4で感想文の指導をするかというと、それは小5になって感想文を書くために、その形に慣れておくという準備をするために書いているのです。

 第二は、よりよい文章を書くために先生が直す指導に力を入れると、その直す指導が子供の理解力を超えている場合、苦手意識を育てることにしかならないからです。

 よく作文指導に熱心な先生のクラスの生徒の多くが作文に苦手意識を持っているということがあります。それは、先生が熱心に直す指導をし、その一方で上手な子の作文だけを褒める指導をするので、大部分の子が作文を苦手に思うようになってしまうのです。

 では、単に褒めるだけの指導でいいのかと言えば、そうではありません。褒めるだけの指導は、直す指導よりもずっとよいのですが、褒め続けているだけでは進歩がありません。

 褒める指導にセットしておくものは三つあります。

 第一は、自習で力をつけていくことです。暗唱や読書によって読む力がつき語彙力がつけば、先生の説明を自分なりに生かすことができるようになります。褒めることと自習をすることは勉強の両輪のようなものです。

 第二は、できた作品を褒める一方で、次回の作文や感想文の準備をすることです。特に、感想文は事前の似た話の準備が重要です。長文を読んで、自分で似た話を考えるとともに、家族に取材して似た話を集めます。すると、感想文の内容が見違えるほど充実してくるのです。

 言葉の森の指導の特徴は、事後添削ではなく事前指導です。書いた作品について赤ペンを細かく入れても、作文力は上達しません。書き出すまでに準備をして、先生が事前に電話で重要なポイントを言う、という書く前の指導がいちばん重要なのです。

 第三は、中高生になるまでの発展を見越したシステムで勉強することです。小学生の作文を小学生の時代だけ上手になればいいと考えると、どうしても生活作文をくわしく描写的に書くことに終始しがちです。小学校低中学年で上手な作文を書くことが目的なのではなく、書く力そのものを伸ばして、中学生や高校生になったときに立派な説明文や意見文を書けるようにすることが勉強の目的です。

 小3の生徒の中には、題名課題は難しいから嫌だとか、感想文は難しいから嫌だという生徒がよくいます。しかし、そういう子供たちでも、作文が勉強の一つなのだという話をすると、難しいけどがんばるという姿勢で取り組んでくれるようになります。そして、事前の準備に力を入れて、お父さんやお母さんに似た例などを取材してくると、すばらしい作文が書けるようになるのです。

 褒める指導を中心にしつつ、毎日の自習で読む力をつけ、先の展望を考えて勉強を進めていく。これが作文、感想文の勉強で大事なポイントです。

233-0015 233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9063
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 生徒父母向け記事(61) 

 コメント欄
コメントフォーム

小3の感想文指導のポイント 森川林 20091206 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」