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暗唱の教材は何がよいか  2010年5月30日  No.918
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 暗唱という学習法には、伝統があります。しかし、現代ではこの暗唱という方法は、あまり一般的ではありません。そのため、理論化が不十分で、ともすれば形式にこだわる傾向が出てきます。

 その形式化が最も強く出るのが教材選びです。暗唱の教材というと、ほとんどが古典的な名文から選ばれています。古典的な文章から選ぶのは、文化的な教養を身につけるという点ではいいのですが、暗唱という学習法で徹底してやるほどのものではありません。

 暗唱の教材は、その学年の子が書く作文と同じか少し高いレベル、つまり自分が文章を書く際に生かせる日本語で書かれていることが大事です。漢文を直読するような素読も、文化的な意味ではとてもよいことだと思いますが、それだけでは現代日本語の助詞や助動詞の感覚がわかりません。

 これまで、暗唱という学習法は、小学校低中学年までの勉強のように思われていたために、大人が読むような古典を読ませることが中心になっていました。しかし、暗唱を中学生や高校生まで継続できる勉強と考えれば、その学年で書く作文に結びつくような文章を読む方がずっとよいのです。


 では、暗唱の学習はいつごろから始めたらよいのでしょうか。小学校1年生ぐらいからというのが理想です。小学校1、2年生のころは、暗唱の学習が全く苦になりません。しかし、小学校3年生以上で始めると、軌道に乗るまで本人がかなり苦しい思いをするようです。ただし、言葉の森の暗唱法は、手順どおりにやれば、だれでも必ずできるようになるので、問題はできると確信が持てるようになるまで継続できるかどうかということになります。


 暗唱の勉強を幼児期から始めるのは早すぎます。本当は、うまくやれば早すぎるということはないのですが、早くから始めようとすると、やり方に不自然さが伴ってしまうことが多いのです。幼児期は、ある特定のやり方を徹底するよりも、母親や父親ができるだけたくさん話しかけたり読み聞かせたりするという、言葉の生活を豊かにするという感覚でやっていくのがよいと思います。


 では、暗唱の学習はいつごろまで続けたらいいのでしょうか。教室の子供たちを見ていると、中学生ぐらいからだんだん暗唱ができなくなります。学校の勉強が忙しくなるということもありますが、それとともに、物事を理解する力が育つ時期なので、単純に反復する勉強というものがしにくくなるからです。しかし、作文力は、高校生になるまで毎年変化していきますから、高校生まで続けていく方がもちろんよいのです。

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