創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   world   たこ焼き


  私は今、青い天使という本を読んでいる。萩尾 千波(チナ)は、小学5年生。フランス人とのハーフだ。お父さんは、何かの都合のためパリにいると小さいころからお母さんにいわれてきた。東京で住んでいるときはいつもお母さんが仕事から帰ってくるのが遅いため、井上 京子(きょんちゃん)の家で帰ってくるまで預かってもらっていた。
 ところが、お母さんはデザイナーの仕事を1からやり直すためパリに行くという。でも、チナは行けない。そのためにいとこたちのいる島に行かなくてはならなかった。きょんちゃんは大阪へ行ってしまうし、家では1つ上のしぶきや1つ下の真二にいじめられた。
長かった自慢の髪の毛はすごい短くしなければならなかったし、学校では水着に針をつけたりされた。でも、時田海と海で傷ついた海猫を助けたり、愛や由香に助けられたりしてだんだんしぶきたちとも仲良くなろうと思う。そんなとき、海で妻がフランス人とニコラスケージさん(ニック)に会い、ニックの家にいくがそこには島1のあばれもの雨宮剛が来ているという。また、写真にはチナそっくりの女の子が写っている・・・。しぶきはどんどん暴走族のようになるが、真二とは仲良くなった。しかし、心の支えとなったおじちゃんが倒れた。それからおじいちゃんが亡くなったとき、泣いていたチナを剛が何もいわずに抱いた。剛は、転校した学校で叩かれたりしたが、1つも手を出さなかった。そのため、全身打撲だが心が変わった。それから、お母さんは後藤さんという婚約者を連れて島に来る。また、パリに帰るのだ。今度はチナも・・・。
せっかくしぶきたちと仲良くなり、野球チームまでつくったのに。
 チナはパリにいくことにした。パリでは友達のできた。特に隣の席のイゴールビリッチは、クロアチア出身。施設にいたけれど、パリにいたおじさんとおばさんが引き取ってくれたということだ。
 私は、その先を読んでびくっとした。「笑」サッカー場だったところがお墓になったり、家は弾のあとだらけだったり・・・・。
 私はすごいクロアチアに興味を持った。アイルランドと同じぐらい持った。たったこれだけ読んだだけなのに。そして、1番興味をもったのが16の湖。なんでこんなにきれいなクロアチアがこんなに・・。今のクロアチアと風景が全然ちがう。ワールドカップだって出場してるよ。1991年に独立なんて私が生まれた次の年、ということはもしもクロアチアに生まれていたということだったら、この世界からいなくなっていたかもしれないし、エイズになっていたかも知れない。ビリッチみたいに足を汚して輸血とかすると、エイズになってしまっていたかもしれない。なんで同じ地球に住んでいるのに、ぜんぜんちがうんだろう。
 私の学校では、1年間そのテーマを研究するという卒業研究というものがある。そこで私はアイルランドの歴史・自然・音楽・料理・スポーツについて調べている。なぜこのテーマにしたかというと、千葉市はFIFAワールドカップのベースキャンプで、アイルランドだったからだ。また、似顔絵コンテストで賞をとってアイリッシュ・ビレッジにいったということもある。
 クロアチアとアイルランドで考えてみると、気候も違うし、着るものも違う、言葉も違う。だけどなんで争わなくてはならない?戦ったらなにかなる?ほんとうにそれでいいの?自分がなぜ生まれてきたか知っている?
 昔、日本も本当は差別していた。例えば、沖縄や北海道の琉球やアイヌ。沖縄1つの国だったけど、日本になった。アイヌの人は名前を日本の名前に変えたりした。重い年貢がかけられたりして、人間を差別した。ヨーロッパはけっこうのほほん(笑)している人とかいるけれど、本当はちがう。どっちかっていうと、日本人より心が陽気の人がたぶんたくさんいるのではないか。
 民族がちがうと対立してしまうのか。ベルリンの壁は必要ではないけれど、つくってしまった。人間はいらないもの、いらないことまでやってしまう癖がある。
 イスライル、カンボジア、アフガニスタン、クロアチア、イラク・・・・・・・・・・・。苦しい重いをしたところ、まだ今でも戦争をやっている国、まだこれからどんどん激しくなる戦い、私と同じ年齢の子がパン1つも食べられない。セロリきらーいなんていっている場合じゃない。一度体験してみないとわからないのだろうか。世界のなかでは、イラクなんて関係ないし遠い。私には戦争なんか関係ない。勝手にやってろなんて思っている人もいる。なにが関係ないだ。同じ人間、同じ地球にいる、遠くのこととおもっていたら大間違い。実は遠くない、本当は近い。これは身近な問題、みんなの問題、その国の人たちだけが問題を抱え込んでいてはだめだ。こおの問題は、世界みんなへの宿題だ。自分はなんで生まれてきたの?私は、なんで必要なの?きっとみんな1人1人すばらしい心がきっとある。

   講評   nara

一つ知識を得ることで、自分を取り巻く世界が一歩広がっていく。そういうことを実感させる作文だ。小さいときのことを考えると、自分の周りには親やきょうだいくらいしか周りに存在せずに、そのわずかな人で構成される世界が全てだ。他者との関わりが増えると、世界が広がっていく。たこ焼きさんの世界は今大きく膨らみ始めているのだろうね。
 「私はなぜ生まれてきたのか」この問いを自分に投げかけたときに、日本人が導き出す答えと、クロアチア人が出す答えとでは、大きな違いがありそうだね。人の生というものに必然があるのであれば、争いや病気に苦しむ国に生まれた人の生の必然は何なのだろうか。重みに違いがあるのだろうか。たこ焼きさんなりに、しっかりと考えている点に好感が持てるな。
 戦争を起こす・差別をする……その主体は悲しいことに人間だ。しかしその一方で、戦争を止めることができるのも、傷ついた人を救うことができるのも人間なのだね。私たちにできることは何なのか。そのことは、常に意識していく必要があるのだね。人一人の力は微力ではあっても、それを駆使しなければ解決への道が開けないということを、たこ焼きさんが実感していることが、強く伝わる力作だ。
 細かなところの入力ミスや表記のミスはあるけれど、それをカバーする内容の深さだね。がんばった。きっと充実した卒業研究が完成することだろうな。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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