創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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本の良いところ いうや
幼い日に読んで血をわかした本が、後年読み返してみると、思いの外につまらなかったりすることは間々あることだ。けれども、砂時計を手にとってひっくり返すように、あるときからは、また新しい砂が積もりだすものだ。また、小さいころに読んで少しも面白くなかった本の妙味が、年を重ねる事によって、わかるようになったりもする。つまり、本を読むというのは、そこにあるものをこちらに運ぶような機械的な作業ではない。場合によっては、作者の意図をもこえて、我々の内に何かを作り上げてゆくことなのだと思う。
ぼくは幼稚園から小学校低学年のころ、「エルマーの冒険」のシリーズ(全3巻)が一番気にいっている本だった。どういうことが好きだったのかというと、エルマーと言う少年が竜を救いに、「動物島」という島へいった。しかしその「動物島」は、たくさんの人が探検に行っているが、一人として返ってきたことのない島だった。そこに竜を助けに行く少年の勇気と、竜を助けてからの優しさと努力が好きだった。また竜のとる行動も好きだった。だけど今この「エルマーの冒険」と「エルマーと竜」と「エルマーと十六匹の竜」を読み返してみると少し幼稚っぽく感じる。それに字が大きくてすぐに読み終わってしまう。だから今は「ハリーポッター」のほうが好きだ。なぜかというと七巻まであるし、一巻一巻物語が長いし何回呼んでも面白いからだ。しかし他の友だちは、「ハリーッポッター」のことを、
「絵がないのに、あんなの面白いの?漫画の方が面白いじゃん。アハハハ・・・」
と、ばかにする。ぼくは漫画より「エルマー」のほうが好きだ。みんなは、まるで漫画のとりこになっているみたいにいっぱい漫画を持っている(笑)。
「悪書を読まないことは、良書を読むための最初の条件である」というのがあるように漫画の読みすぎだと、文字だけの本が読めなくなってしまう。しかし漫画も「学習漫画」みたいなものもあるしたまにはいいと思う。読書とは人間にとって一種の楽しみだ。
講評 huzi
將くんはよい本をたくさん読んでいるね。体を思いきり動かしたり本の世界に浸かるように読むことは、大人になってからは忙しくてなかなかできない。
また、今のうちに、意識的によいものを選んでチャレンジしておくことは、大人になってからの考え方を作る土台になる。 漫画も悪くはないけど、言葉の力を鍛えるにはやはり、本。 自分のスタイルをつらぬいて、読み続けてね。
☆<●要約>、すっかり慣れてきたね。六年生にとっては難しい語句を使った文章ですが、それを自分で再構成してわかりやすく短くまとめなおすことができています。まるで、自分自身の意見のようになめらかになっていて、◎。
☆<●体験実例>は期待通りのおもしろさになったね。こんなとき、これという本を読んだことがないと、個性的な体験実例を広げることが難しいもの。しかし、そのあたりは、さすがだね! 『エルマーの冒険』と『ハリーポッター』という冒険ファンタジーの世界を、自分の成長に沿ってどのようにとらえているのか、変化を分析しながら書いていて、とても読み応えがある。
友達は、そんな本より漫画のほうがおもしろい、と言うようですが、文字だけから浮かび上がってくる世界のおもしろさをしらないのは、もったいないですね。
☆<●ことわざの引用>、<●一般化の主題>はOK。
★「しかし漫画も「学習漫画」みたいなものもあるしたまにはいいと思う。」この一節は、最終の結論の中に書くのではなく、「…漫画を持っている(笑)。」の次に書くほうがおさまりがいい。 締めくくりの文は、一番言いたいことだけでまとめよう。
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