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　　　雨の日の思い出　　　にわとり

「いたっ！」
１ヶ月半位前雨が降ったときに階段からすべった。起き上がろうとしても起き上がれない。
「うわあ。なんで今日に限って転んじゃうんだ。服が汚れちゃったじゃんかー！」
…最悪だ。家に帰って転んじゃった、と言えば大丈夫？と言われるだけであとは服を汚したことを怒られるんだ。ガチャ 家のドアを開けた瞬間にお母さんが出てきて
「さっき階段でなんか音がしたんだけど、あんた何かやった？」
「…転んだ。服汚しちゃった。ごめんなさい。」
と、怒られるのを覚悟して謝ったら意外な反応をされた。謝った３秒後くらいにゲラゲラ笑われて何がなんだか分からぬままつられ笑いをしてしまった。何で笑われたのか分からないけど…まあいいか。（今思えばほんとにいいのか と自分にツッコミを入れたい気分（笑））
「そんなことどうでもいいけどなんでただ階段で転んだだけで服を汚すの！？」
「えっ？転んだら服汚れるじゃん！」
「どんな転び方したってズボンが汚れるだけじゃん！」
…ほら怒られた。自分の思っていた怒られかたとはちがうけどどっちみち怒られた。でも、もし怒られることを秘密にしていたらもっと怒られると思う。まあ、怒られることなんて慣れてることだけどね。でも怒られるのはうんざりだから寝たふりをした。寝たふり寝たふり…と思っていたら何とほんとに眠ってしまっていた。うわあ。もう夜じゃあないかあー！「狸寝入り」のつもりだったのに…怒られることを自分で増やしてしまった！どうしよう…。
「さっさとご飯食べちゃいな。」
お母さんはまるで霊に取りつかれたように人格が変わっていた。優しいと余計こわい。うーん。このままで行くと明日はどうなるんだろう。もし明日になったらまた怒るかもしれないし…怒られたら一体どんな話をすればいいのか。…と先のことばかり考えてしまう。
「取らぬ狸の皮算用」ということわざは私にぴったりのことわざだと思う。人間は怒られることを秘密にすることがある。でも秘密にしているともっと怒られるんだろうと思うから正直に話せば嫌な気持ちは減ると分かった。

　　　講評　　　jun