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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   もう一つの体験は   サンサン

センが目にしたヒンズー教徒によるイスラム教徒への差別・迫害。この出来事が彼に「権利」や「法」を超えた力である「社会的」ハンディキャップについて考えさせるようになった。そして飢餓や貧困または経済的格差、これらの原因として「量」的なもの以外にも、社会的文化的な「選り分け」を含む「質」的な要素にも目を向けるべきだと指摘する。確かに経済開発を目的とした活動においてこの「社会的」ハンディキャップを意識すべきことは必要である。しかし私たちはそのハンディキャップを簡単に差別だといって取り除くべきではない。
 私たち自身さまざまな社会的ハンディキャップ、つまり差別を生み出している。一番分かりやすいところでは女性差別があるだろう。しかしこの女性差別という意識、今となっては一般的なのだが、昔から差別として意識されていたことではないだろう。つい数十年前まで、労働という視点で見るならば、女性は当然家事と子育てをするもので、生活のためにお金を稼ぐのは男性の仕事。一方国によっては今でも耕作や水汲み等重労働は女性の仕事、男性はするべきではない、といったところもある。それらを差別と意識するところもあるだろうし、そうでないところもある。差別、またそれを意識する感覚は一つの社会、歴史、文化的な産物であり、それを部外者である人間に指摘されすぐになくなる物ではなく、そして強制的に取り除けるものでもない。もし取り除こうとするならば、先進国のエゴがそれぞれの文化が持つ多様性を破壊することになるだろう。
 確かに差別をなくし、経済開発によって生まれた利益を平等に広げることが経済的格差の解消に繋がることは確かだと思う。しかしそれぞれの国が持つ社会、文化の多様性にも目を配らず、自分たちの持つ習慣、思想を押し付けてしまうことは逆に反発を招き、差別の強化に繋がってしまうのではないだろうか。 

   講評   nane

 第一段落の意見を、長文の内容とは違う立場にしたんだね。「ハンディキャップを差別だと言って取り除くべきではない」というのは、深い意見。しかし、この書き方は実は難しい。
 意見は、肯定形で、「……すべきだ」と書くと、そのあとの展開がしやすくなる。逆に、「……べきではない」と否定形で書くと、焦点をしぼりにくくなる。だから、基本的には、長文の主旨に沿って、しかも肯定形の意見にして書いていくのがコツ。反対意見は、結びの段落の「反対意見に対する理解」というところで触れておくと、全体がすっきりした構成になり、自分の言いたいことも打ち出せる。
 しかし、ハンディキャップをなくすということが往々にして、文化の多様性をなくすことにつながるというのは、鋭い意見。
 長文の感想文というよりも、この意見だけの独自の意見文として書いてもよかったかもしれないね。(^o^)/
 9.1週は、作文のテスト。●印の項目のキーワードを全部入れて、字数800字以上、時間75分以内でがんばろう。時間は、読む時間やメモの時間は入れずに、正味の書いた時間で。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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