創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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噴水は、飲めない水で 塩崎友葵
噴水は、飲めない水で 2002.9.10
噴水は、言ってみれば、何の役にも立たないものなのだ。都市住民は、すべてが役に立つという環境に馴らされているから、目の前に突如として何の役にも立たないものが出現すると、それだけで文化的衝撃をうけ、深く困惑する。つまり、この困惑が新たな文化を創り出すのであり、噴水はそのためのものであろう。
私の学校の低学年玄関の前に直径四十メートルくらいの『鯉の池』がある。鯉は、今年の春にみんな死んでしまった。だから、『ただの水たまり』だ。
「じゃあ、お昼休み一時に鯉の池に集合ね。」
などと、私達にとっては、かけがえのない池なのだ。もちろん、鯉の池は役に立たない物のひとつだ。しかし、今まであった鯉の池がなくなってしまったら、その場所も空くだけでなく、心にも穴がぽっかりと空いてしまうだろう。だから、役には立たないかもしれないが、必要な物なのだ。
役に立たない行事では、『運動会』だろう。学校は勉強する場所だ。運動会はやらなくても、将来困るわけではない。しかし、やはり運動会はしたい。この意見は私だけじゃないだろう。ところが、週休二日制になって『勉強する時間がない。』と、運動会は二年に一回になった学校があるらしい。確かに役に立たないが、みんなで協力して一つの作品を作ることはすごく、すばらしいものだと思う。それなのに、運動会が行われないなんて・・・。
人間にとって、『無駄な物』とは、無駄だが『必要な物』なのだということがわかった。
講評 yuri
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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